あなたのメルマガが迷惑メールに?遵守すべき法律・特定電子メール法とは

2022年12月16日

あなたのメルマガが迷惑メールに?遵守すべき法律・特定電子メール法とは

インターネットが普及して以降、2001年には携帯電話からのインターネット接続が可能になりました。その影響で、一方的に広告宣伝に関わるメールを送ってくる「迷惑メール」が増えました。迷惑メールの増加を受け2002年には、迷惑メールを規制するための法律である「特定電子メール法」が誕生しました。

特定電子メールとは、広告や宣伝を含んだメールを意味しています。広告宣伝を目的とするメールをメール配信する場合は、特定電子メール法を遵守して行わないと違法行為になってしまいます。

そこで今回は、『あなたのメルマガが迷惑メールに?遵守すべき法律・特定電子メール法とは』と題し、特定電子メールの定義や特定電子メール法の内容について解説したいと思います。

※ご注意
より正確な法律内容を確認したい場合は、必ず弁護士や行政書士などへ相談しましょう。各市区町村で実施している、無料法テラスなども活用し、知識を深めるのもおすすめです。

    目次

  1. 1特定電子メールの定義と法律内容
  2. 1.1特定電子メールとは?どんなメールが該当するのかを確認
  3. 1.2特定電子メール(メルマガ)の運用中に守るべき4つのこと
  4. 1.2.1特定電子メールの送信の制限
  5. 1.2.2表示義務
  6. 1.2.3送信者情報を偽った送信の禁止
  7. 1.2.4架空電子メールアドレスによる送信の禁止
  8. 1.3特定電子メール法に違反した場合の罰則は?
  9. 2合わせて遵守すべき「個人情報保護法」
  10. 2.1個人情報保護法に基づいた配信
  11. 3メルマガ運用時にすべき3つの施策
  12. 3.1同意(オプトイン)を得る
  13. 3.1.1同意への意思表示は明確に
  14. 3.1.2同意記録を保存する
  15. 3.1.3例外的に同意なしのメール配信もある
  16. 3.2メルマガの配信停止が可能なことを伝える
  17. 3.3表示義務はしっかり明記する
  18. 4ダブルオプトインを使うと安心
  19. 5まとめ

特定電子メールの定義と法律内容

特定電子メール法の正式名称は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」といいます。

2001年に携帯電話からインターネット接続が可能になる一方で、ユーザーの許諾なしで広告宣伝に関するメールを送ってくる「迷惑メール」が急増し、社会問題となりました。こうした背景から、迷惑メールを規制する法律として、2002年に特定電子メール法ができました。

特定電子メールとは?どんなメールが該当するのかを確認

総務省の『特定電子メールの送信等に関するガイドライン』によると、

特定電子メールとは、「営業を目的とする団体及び営業を営む場合における個人」である送信者が「自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信する電子メール」である。

『別添2 特定電子メールの送信等に関するガイドライン』平成23年8月31日 総務省

と書かれています。

つまり、広告宣伝のためにメルマガを発行する場合は、特定電子メールにあたるということがわかります。では、どんなメルマガやメールが特定電子メールになるのでしょうか。

特定電子メール法が適用されるもの

  • 営業上のサービス・商品等に関する情報を広告又は宣伝しようとするウェブサイトへ誘導することがその送信目的に含まれる電子メール
  • SNS(Social Network service)への招待や懸賞当選の通知、友達からメールや会員制サイトでの他の会員からの連絡などを装って営業目的のウェブサイトへ誘導しようとする電子メール
『別添2 特定電子メールの送信等に関するガイドライン』平成23年8月31日 総務省

特定電子メール法が適用されないもの

  • 取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせなど取引関係に係る通知であって広告又は宣伝の内容を含まず、広告又は宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール
  • 単なる時候の挨拶であって、広告や宣伝の内容を含まず広告又は宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール
  • 政治団体・宗教団体・NPO法人・労働組合等の非営利団体が送信する電子メールは、特定電子メールには当たらないものである
『別添2 特定電子メールの送信等に関するガイドライン』平成23年8月31日 総務省

特定電子メール(メルマガ)の運用中に守るべき4つのこと

特定電子メール法とは、迷惑メールなどを防止することを目的として定められており、広告宣伝、勧誘などを目的とした電子メールを送るときに、守るべきことを定めた法律となっています。

2008年12月1日に改正された際には、メール配信に同意した相手にだけ、広告宣伝や勧誘等を目的としたメール配信を許可する「オプトイン」が導入されています。

さらに法律上守らないといけない項目として、「特定電子メールの送信の適正化のための措置等」によると、「特定電子メールの送信の制限」「表示義務」「送信者情報を偽った送信の禁止」「架空電子メールアドレスによる送信の禁止」などがあげられます。

特定電子メールの送信の制限

特定電子メールを送信する場合は、ユーザーから事前に同意を得る必要があります。同意なしに広告宣伝を含むメールを送ると、違法行為になってしまいますので注意しましょう。

表示義務

ユーザーから同意を得たとしても、そのユーザーに対して送信する側は、名称や連絡先などの表示義務があります。

主に表示が義務付けられている項目は以下の通りです。

  • 送信する側の名前や名称
  • 受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスやURL
  • 受信拒否の通知ができる旨を書く
  • 送信する側の住所
  • 送信する側の問い合わせやクレームなどを受けることが可能な電話番号、メールアドレス、URL

どこの誰からきたメールなのかを明確にすることが重要ということです。

送信者情報を偽った送信の禁止

送信する側は、送信に使用するメールアドレス、送信に使用する電気通信設備を識別するための文字、番号、記号などを偽ると違法になります。

架空電子メールアドレスによる送信の禁止

特定電子メールを多数の電子メールに送信するために、架空の電子メールアドレスを宛先とするメールを送信してはいけません。

さらに詳しい法律内容を知りたい場合は、以下の引用もとを参照してください。

特定電子メール法に違反した場合の罰則は?

特定電子メール法違反を犯した場合、罰則として「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」「法人に関しては3,000万円以下の罰金と行為者への罰」が科せられます。もちろん、違反行為があると金銭面、社会的信用を失う可能性があります。

また、措置命令が出た際は、一定期間総務省ホームページ内に企業名が公表されてしまいます。一定期間が過ぎ削除対象となっても、過去の措置命令に関しては、総務省消費者行政第二課に問い合わせることができます。いかに社会的信用を失うかがわかります。

合わせて遵守すべき「個人情報保護法」

個人情報保護方針が制定されたのは、2003年にさかのぼります。当時は携帯が普及し、完全に個人ひとりひとりが、携帯電話を持つといった感覚が定着した時代でした。そして、携帯電話以外でも、ITが完全に社会に普及していきます。

このような背景からか、この頃から、個人情報について注視されるようになりました。このように激動の時代を迎えたIT社会では、インターネットに簡単にアクセスできるようになったため、個人情報を保護する必要が出てきました。その結果誕生した法律が「個人情報保護法」です。

個人情報保護法とは、その名の通り、個人の情報を保護するためのものではありますが、本来の目的は、「個人情報の有用性に配慮し、個人の権利利益を保護する」ことにあります。

要は、個人と企業間での取引や利益などを双方の情報を守り、利用するといったことです。そのため、このルールに遵守する必要があるのです。

個人情報保護法に基づいた配信

メルマガを定期購読する際に必ず、メールアドレスの登録やニックネームなどを入力しますが、このような情報も全てメールアドレスに個人情報が紐づいています。

「ニックネームで登録しているから大丈夫」と思っていたら、大間違いです。

勿論、メルマガを購読する人のセキュリティに対するリテラシーも必要となりますが、それ以前にメルマガを配信する事業者が、しっかりと個人情報保護法に従った理解と適切な処置が求められます。

メルマガ運用時にすべき3つの施策

メルマガをメール配信する際に、特定電子メール法違反にならないために、いくつかの施策を行う必要があります。

上記でも解説したとおり、ユーザーへ広告宣伝を目的としたメールをメール配信する場合、以下のことを明確にしなければなりません。

  • 特定電子メールの送信の制限
  • 表示義務
  • 送信者情報を偽った送信の禁止
  • 架空電子メールアドレスによる送信の禁止

ここでは、上記のことを守るために、メルマガ運用時にすべき3つの施策について解説します。

同意(オプトイン)を得る

先述したとおり、広告宣伝を目的とするメールをメール配信するには、事前にユーザーからメール配信の同意を得る必要があります。

同意を得る方法を「オプトイン」といいます。オプトインはそもそもメルマガを配信しても良いかどうかを決める重要なフェーズなので、以下の3つの観点で詳しく解説します。

同意への意思表示は明確に

オプトインを実施する際は、ユーザー側が分かるように見やすいフォント「同意の有無」の項目を明記しましょう。

また、個人情報保護法による「個人情報の利用目的」などに、広告宣伝を目的とした情報提供を行う旨を記載するのも大切です。ユーザーが気付かないうちに同意している状態になってしまうと、違反になります。

個人情報保護法

同意記録を保存する

ユーザーが広告宣伝を目的としたメールへの同意は、同意した記録自体も保存する必要があります。

記録内容は主に、メルマガ登録を行った日時や登録時に取得した内容です。保存する期間は、広告宣伝を目的としたメールを、最後にメール配信してから1カ月間です。

例外的に同意なしのメール配信もある

例外的に、同意なしでのメール配信が可能な場合もあります。下記に代表的なものをあげておきますので、確認してみてください。

  • 取引関係があるもの
  • 自らメールアドレスを公表しているもの
  • メールアドレスを通知したもの

取引関係の場合は仕事上、広告宣伝メールが送られてくることが予測可能なため、除外されます。ホームページなど、誰でも閲覧できる箇所にメールアドレスを公表している企業、団体の場合も、ある程度の範囲に限っては、除外されています。

メールアドレスを通知したものは、書面(名刺など)で自らのメールアドレスを教えているので、広告宣伝を目的としたメールが届く可能性が予測できるため、除外されています。

【今さら聞けない】オプトインについて解説

メルマガの配信停止が可能なことを伝える

メルマガのメール配信をユーザーが「メール配信を停止してほしい」と連絡があった場合、これを「オプトアウト」といいます。

送信側は、ユーザーがスムーズにオプトアウトできるように、メール配信停止、解除方法、送信元の情報など、特定事項をメール本文に記載する義務があります。

ユーザーからメール配信停止を受けたあとは、メール配信を原則実施してはいけません。

表示義務はしっかり明記する

先述したとおり、広告宣伝を目的とするメールのメール配信をする場合、「どこの誰が送っているか」などの明確な情報を公にする「表示義務」があります。

必ず、メルマガの本文内などには、上記で解説した表示義務に関する5つの項目を記載し、どこの誰がメルマガをメール配信しているか、受信拒否や問い合わせができることも、しっかり書いておきましょう。

ダブルオプトインを使うと安心

当社が提供するメール配信システム・Combz Mail PLUS(コンビーズメールプラス)では、標準機能として「ダブルオプトイン」が備わっています。

ダブルオプトインとは二段階認証のようなもので、本登録の前に仮登録されたメールアドレスへ認証URLが送られ、そのリンクをクリックすることで本登録を行うことができる仕組みのことを言います。

ダブルオプトインだと本人確認が行えるので、勝手にメールアドレスを登録されても、「申し込んだ覚えがないこと」を伝えれば、誤った登録を防ぐことができます。

ダブルオプトインで安心してメール配信!【迷惑メール扱いにならない1つの対処法】

まとめ

今回の記事はいかがでしたでしょうか?

広告宣伝を含むメールは特電子メールという扱いになり、特定電子メール法を遵守して、メール配信を行わないと違法となってしまいます。

迷惑メールにならないように法律を守って、ユーザーが求める情報を的確にメール配信しましょう。

以上『あなたのメルマガが迷惑メールに?遵守すべき法律・特定電子メール法とは』でした。

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