2024年10月18日
Webマーケティング担当者にとって、メルマガは顧客とのコミュニケーションを図り、関係性を構築するための重要なツールです。
しかしせっかく時間をかけて作成したメルマガも、Gmailの迷惑メールフォルダに振り分けられてしまっては意味がありません。
Gmailは世界中で広く利用されているメールサービスです。メルマガ配信においても多くのGmailユーザーを読者としていることでしょう。
そこで今回はGmail宛てにメルマガを配信する際の注意点について詳しく解説していきます!
メルマガが迷惑メールになる原因と防止法、認証技術についてはこちら
「メルマガの読者像を想定する」「メルマガ登録者を増やすための集客方法」「メルマガを運用するにあたっての目標設定」などについてはこちら
目次
まずGmailユーザーにメルマガを確実に届けるためには、ガイドラインを理解しておくことが重要です。
2024年2月にセキュリティ強化を目的としたガイドラインの変更が行われ、メルマガ配信者にはより厳格な対応が求められるようになりました。
近年のフィッシング詐欺やなりすましメールの増加を受け、Gmailはユーザー保護を強化するためにガイドラインを変更しました。
信頼できる送信元からのメールのみを受信ボックスに届けることで、ユーザーが安全にメールを利用できる環境を作ることを目的としています。
今回のガイドライン変更では、メルマガ配信者にとって、以下の3点が義務付けられています。
SPF、DKIM、DMARCといった技術を用いて、メールの送信元を認証することが必須となりました。
ユーザーの同意を得ずにメルマガを配信したり、迷惑メールと判断されるようなメールを送信することは禁止されています。
ユーザーが簡単にメルマガの配信登録を解除できるよう、分かりやすい解除方法を提供することが求められます。
上記の義務事項に加え、Gmailユーザーにメルマガを確実に届けるためには、以下の項目についても対応が必要です。
メール配信に使用するドメインやIPアドレスのDNSレコードを適切に設定することで、メールサーバーの信頼性を高めることができます。
Gmailが提供するPostmaster Toolsでは、配信したメールがどの程度迷惑メールに分類されているかを調べることができます。このツールを利用して迷惑メール率を監視し、0.3%未満に抑えるように努めましょう。
不要なメールやユーザーが興味を示さない内容を配信しないようにこころがけることで上記の数値の範囲におさえることが可能です。
RFC5322はメールの形式に関する標準規格です。この規格に準拠したメールを作成することで、Gmailでの表示崩れなどを防ぐことができます。
メルマガのFromアドレスに使用するドメインは、SPFとDKIMで設定したドメインと一致させてください。
Gmailの迷惑メール対策として、SPF、DKIM、DMARCといった認証技術が重要となります。これらは、メールの送信元を認証し、なりすましや改ざんを防ぐための仕組みです。
メルマガが迷惑メールと判定されないよう、これらの技術を正しく理解し、設定しておく必要があります。
SPF(Sender Policy Framework)は、送信元のドメインが詐称されていないかを検証するための仕組みです。
簡単に言うと、「このドメインからメールを送信しても良いですよ」と許可されたサーバーを、あらかじめDNSレコードに登録しておくことで、なりすましを防ぎます。
SPFは以下の4ステップで進行していきます。
上記のルートをたどって、メール配信元のメールサーバにあるIPアドレスと一致するかをチェックし、メール配信者によって送られてきたメールが、正規か非正規かを判断します。
利用しているメール配信システムを提供する企業に「SPF設定のためのレコード情報」を教えてもらいます。あとは独自ドメインを管理しているレンタルサーバなどの管理画面に入り、取得したSPFレコードを記載すれば完了です。
設定内容は、「v=spf1 ip4:xxx.xxx.xxx.xxx include:example.com ~all」のように記述します。
xxx.xxx.xxx.xxxの部分には、メールを送信するサーバーのIPアドレスを記載します。include:example.comの部分には、メール配信システムのドメインを記載します。
DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、メールの送信元を認証し、改ざんされていないことを証明するための仕組みです。
送信側のメールサーバーでメールに電子署名を付与し、受信側のメールサーバーが公開鍵を使って署名を検証することで、メールが正当な送信元から送られたものであり、途中で改ざんされていないことを確認します。
DKIMは以下の4ステップで進行していきます。
この流れを無事通過すると、メールが受信されます。
利用しているメール配信システムを提供する企業に「DKIMの情報」を教えてもらうと、「ドメインキー」というものを取得できます。
あとは独自ドメインを管理しているレンタルサーバなどの管理画面に入り、TXTレコードにドメインキーを記載すれば完了です。
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)は、SPFとDKIMを組み合わせ、なりすましメール対策を強化するための仕組みです。
SPFやDKIMの認証に失敗したメールに対して、受信側のメールサーバーがどのように処理するかを、送信側がポリシーとして設定することができます。
設定できる処理の方法は以下の3つです。
またDMARCは以下のステップで進行していきます。
独自ドメインを使って配信するメールの送信元情報、認証結果に関しては、DMARCレポート(統計情報)として取得できます。
DMARCの場合は、独自ドメインを管理しているレンタルサーバなどの管理画面に入り、DMARCを入力します。
手順は以下のようになります。
DMARC関連の情報についてはこちら
メルマガを配信する際には、SPF、DKIM、DMARCといった認証技術の設定だけでなく、IPアドレスのレピュテーションにも気を配ることが重要です。
IPアドレスのレピュテーションとは、そのIPアドレスが過去にどのように使われてきたか、つまり「IPアドレスの評判」のことです。
もし、同じIPアドレスからスパムメールなどが大量に送信されていたり、ブラックリストに登録されていたりすると、そのIPアドレスのレピュテーションは低下します。
レピュテーションが低いIPアドレスからメルマガを配信すると、Gmailなどのメールサービスプロバイダは、そのメルマガを迷惑メールと判断し、受信トレイに届けることなく、迷惑メールフォルダに振り分けてしまう可能性が高くなります。
Webマーケティング担当者としては、せっかく時間をかけて作成したメルマガを、顧客に読んでもらえないのは避けたいですよね。
では、IPアドレスのレピュテーションを高く保つためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
信頼性の高いメール配信システムは、適切なセキュリティ対策を施し、IPアドレスのレピュテーション管理を徹底しています。
そのようなシステムを利用することで、IPアドレスのレピュテーション低下によるトラブルを回避することができます。
Sender ScoreやTalos Intelligenceなどのツールを利用することで、IPアドレスのレピュテーションをチェックすることができます。
定期的にチェックを行い、レピュテーションが低下している場合は、原因を調査し、適切な対策を講じるようにしましょう。
無効なメールアドレスや、メルマガ配信を希望していないユーザーのメールアドレスを配信リストに残しておくと、バウンス率や苦情率が高くなり、IPアドレスのレピュテーションに悪影響を与える可能性があります。
配信リストは定期的にクリーンアップし、常に最新の状態に保つように心がけましょう。
IPアドレスのレピュテーションを高く保つことは、メルマガの到達率向上に繋がり、ひいては顧客エンゲージメントや売上増加にも貢献します。
Webマーケティング担当者として、IPアドレスのレピュテーション管理もしっかりと行いましょう。
せっかくメルマガを配信しても、Gmailの迷惑メールフォルダに振り分けられてしまっては、ユーザーに読んでもらえません。
Gmailの迷惑メールフィルターは、件名もチェックしているため、フィッシングメールと誤解されるような件名は避ける必要があります。
では、具体的にどのような件名に注意すれば良いのでしょうか?
「緊急」や「重要」といった言葉や、個人情報と金銭に関するワードを件名に含めるのは避けましょう。
これらのワードは、フィッシングメールでよく使われるため、迷惑メールフィルターに引っかかりやすくなります。
例えば、以下のような件名は注意が必要です。
ユーザーを騙したり、誤解を招いたりするような表現も避けましょう。
例えば、実際には当選していないのに「当選おめでとうございます!」と記載したり、虚偽の内容でユーザーをサイトに誘導したりするような件名は、迷惑メールと判断される可能性があります。
長すぎる件名は、ユーザーに読んでもらえないだけでなく、迷惑メールフィルターにも引っかかりやすくなります。
件名は、メルマガの内容を簡潔に伝え、ユーザーの興味関心を惹きつけるような、短く分かりやすいものにするように心がけましょう。
開封率アップの観点からも、「メリットを伝える」「興味関心を惹きつける」「簡潔で分かりやすい」という3ポイントをおさえることをオススメします。
例:「【会員限定】新作○○を10%OFFでゲット!」
例:「知らないと損する!?最新○○トレンド」
例:「今週のおすすめ商品ベスト10を大紹介!」
件名は、メルマガを開封してもらうための最初の関門でもあります。
ユーザーの興味関心を惹きつけ、かつ迷惑メールフィルターに引っかからないような、適切な件名を設定しましょう。
メルマガにURLを記載する際は、正しいURLであることはもちろん、安全なURLであるかどうかも注意深く確認する必要があります。
なぜなら、メルマガに不適切なURLが掲載されていると、Gmailプロバイダに迷惑メールと判断され、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう可能性があるからです。
メルマガに掲載するURLには、以下のような種類があります。
誤字脱字がないか、リンク切れになっていないかを確認しましょう。URLがHTTPS化されていることを確認しましょう。
リンク先のサイトが安全なサイトであるかを確認しましょう。
違法なコンテンツやアダルトコンテンツを含むサイトへのリンクは避けましょう。短縮URLは使用せず、正式なURLを記載しましょう。
ダウンロードさせるファイルが安全なファイルであるかを確認しましょう。ウイルス感染などのリスクがないか、最新のセキュリティソフトでスキャンしましょう。
Gmailなどのメールサービスプロバイダは、以下のような特徴を持つURLを迷惑メールと判断する可能性があります。
URLの安全性を確認するために、Google Safe BrowsingなどのURLチェックツールを活用するのも有効な手段です。
これらのツールは、URLを分析し、マルウェア感染やフィッシング詐欺などのリスクを評価してくれます。
今回はGmailに向けてメルマガを配信する際の注意点について解説させていただきました。
2024年2月に改定されたGmailのガイドラインでは、送信メールの認証が必須となり、SPF、DKIM、DMARCといった技術の導入が求められています。
これに加えて、配信元のドメインやIPアドレスのDNSレコード設定、迷惑メール率の監視、メール形式の標準規格への準拠など、メルマガ配信者が対応すべき項目は多岐に渡ります。
SPF、DKIM、DMARCはそれぞれ、メールの送信元を認証し、なりすましや改ざんを防ぐための技術です。
これらの技術を正しく理解し、設定することで、メルマガの信頼性を高め、迷惑メールフォルダへの振り分けを抑制することができます。
また、IPアドレスのレピュテーションもメルマガの到達率に影響します。
信頼性の高いメール配信システムを利用したり、IPアドレスのレピュテーションを定期的にチェックしたりするなど、適切な管理を行いましょう。
フィッシングメールと誤解されるような件名や、不適切なURLの掲載も、迷惑メールと判断される可能性があります。
Gmailユーザーにメルマガを確実に届けるためには、これらの注意点を守り、適切な設定と対策を行うことが重要です。
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