Gmail宛てにメルマガを配信する際の注意点まとめ

2024年10月18日

Gmail宛てにメルマガを配信する際の注意点まとめ

Webマーケティング担当者にとって、メルマガは顧客とのコミュニケーションを図り、関係性を構築するための重要なツールです。

しかしせっかく時間をかけて作成したメルマガも、Gmailの迷惑メールフォルダに振り分けられてしまっては意味がありません。

Gmailは世界中で広く利用されているメールサービスです。メルマガ配信においても多くのGmailユーザーを読者としていることでしょう。

そこで今回はGmail宛てにメルマガを配信する際の注意点について詳しく解説していきます!

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    目次

  1. 12024年に改定されたGmailガイドライン
  2. 1.1変更の理由
  3. 1.2ガイドライン変更の義務事項
  4. 1.2.1送信メールの認証
  5. 1.2.2未承諾メールや迷惑メールの送信禁止
  6. 1.2.3メール配信登録の解除を容易にすること
  7. 1.3メルマガ配信者が対応すべき項目
  8. 1.3.1配信元のドメインやIPのDNSレコードを設定
  9. 1.3.2Postmaster Toolsで迷惑メール率を0.3%未満に維持
  10. 1.3.3Internet Message Format標準(RFC5322)に準拠したメール形式の作成
  11. 1.3.4FromドメインをSPF、DKIMと一致させる
  12. 2SPF・DKIM・DMARCとは
  13. 2.1SPF
  14. 2.1.1SPFの設定方法
  15. 2.2DKIM
  16. 2.2.1DKIMの設定方法
  17. 2.3DMARC
  18. 2.3.1DMARCの設定方法
  19. 3IPアドレスのレピュテーションも大切
  20. 3.1信頼性の高いメール配信システムを利用する
  21. 3.2IPアドレスのレピュテーションを定期的にチェックする
  22. 3.3配信リストを適切に管理する
  23. 4フィッシングメールと誤解される件名は避ける
  24. 4.1危険なキーワード
  25. 4.2件名でユーザーを騙す行為
  26. 4.3長すぎる件名
  27. 4.4おすすめの件名
  28. 4.4.1メリットを伝える
  29. 4.4.2興味関心を惹きつける
  30. 4.4.3簡潔で分かりやすい
  31. 5掲載するURLをチェックしよう
  32. 5.1URLの種類と注意点
  33. 5.1.1自社サイトのURL
  34. 5.1.2外部サイトのURL
  35. 5.1.3ファイルダウンロードのURL
  36. 5.2迷惑メールと判断されるURLの特徴
  37. 5.3URLチェックツールを活用しよう
  38. 6まとめ

2024年に改定されたGmailガイドライン

まずGmailユーザーにメルマガを確実に届けるためには、ガイドラインを理解しておくことが重要です。

2024年2月にセキュリティ強化を目的としたガイドラインの変更が行われ、メルマガ配信者にはより厳格な対応が求められるようになりました。

変更の理由

近年のフィッシング詐欺やなりすましメールの増加を受け、Gmailはユーザー保護を強化するためにガイドラインを変更しました。

信頼できる送信元からのメールのみを受信ボックスに届けることで、ユーザーが安全にメールを利用できる環境を作ることを目的としています。

ガイドライン変更の義務事項

今回のガイドライン変更では、メルマガ配信者にとって、以下の3点が義務付けられています。

送信メールの認証

SPF、DKIM、DMARCといった技術を用いて、メールの送信元を認証することが必須となりました。

未承諾メールや迷惑メールの送信禁止

ユーザーの同意を得ずにメルマガを配信したり、迷惑メールと判断されるようなメールを送信することは禁止されています。

メール配信登録の解除を容易にすること

ユーザーが簡単にメルマガの配信登録を解除できるよう、分かりやすい解除方法を提供することが求められます。

メルマガ配信者が対応すべき項目

上記の義務事項に加え、Gmailユーザーにメルマガを確実に届けるためには、以下の項目についても対応が必要です。

配信元のドメインやIPのDNSレコードを設定

メール配信に使用するドメインやIPアドレスのDNSレコードを適切に設定することで、メールサーバーの信頼性を高めることができます。

Postmaster Toolsで迷惑メール率を0.3%未満に維持

Gmailが提供するPostmaster Toolsでは、配信したメールがどの程度迷惑メールに分類されているかを調べることができます。このツールを利用して迷惑メール率を監視し、0.3%未満に抑えるように努めましょう。

不要なメールやユーザーが興味を示さない内容を配信しないようにこころがけることで上記の数値の範囲におさえることが可能です。

Internet Message Format標準(RFC5322)に準拠したメール形式の作成

RFC5322はメールの形式に関する標準規格です。この規格に準拠したメールを作成することで、Gmailでの表示崩れなどを防ぐことができます。

FromドメインをSPF、DKIMと一致させる

メルマガのFromアドレスに使用するドメインは、SPFとDKIMで設定したドメインと一致させてください。

SPF・DKIM・DMARCとは

Gmailの迷惑メール対策として、SPF、DKIM、DMARCといった認証技術が重要となります。これらは、メールの送信元を認証し、なりすましや改ざんを防ぐための仕組みです。

メルマガが迷惑メールと判定されないよう、これらの技術を正しく理解し、設定しておく必要があります。

SPF

SPF(Sender Policy Framework)は、送信元のドメインが詐称されていないかを検証するための仕組みです。

簡単に言うと、「このドメインからメールを送信しても良いですよ」と許可されたサーバーを、あらかじめDNSレコードに登録しておくことで、なりすましを防ぎます。

SPFは以下の4ステップで進行していきます。

  1. メール配信者が自身のIPアドレスをDNSサーバへ送信
  2. DNSサーバに配信したメールがSPFレコードという形式で登録が行われる
  3. メール受信者がDNSサーバへSPFレコードを要求
  4. レコードとメール配信者側のIPアドレスを照らし合わせる

上記のルートをたどって、メール配信元のメールサーバにあるIPアドレスと一致するかをチェックし、メール配信者によって送られてきたメールが、正規か非正規かを判断します。

SPFの設定方法

利用しているメール配信システムを提供する企業に「SPF設定のためのレコード情報」を教えてもらいます。あとは独自ドメインを管理しているレンタルサーバなどの管理画面に入り、取得したSPFレコードを記載すれば完了です。

設定内容は、「v=spf1 ip4:xxx.xxx.xxx.xxx include:example.com ~all」のように記述します。

xxx.xxx.xxx.xxxの部分には、メールを送信するサーバーのIPアドレスを記載します。include:example.comの部分には、メール配信システムのドメインを記載します。

DKIM

DKIM(DomainKeys Identified Mail)は、メールの送信元を認証し、改ざんされていないことを証明するための仕組みです。

送信側のメールサーバーでメールに電子署名を付与し、受信側のメールサーバーが公開鍵を使って署名を検証することで、メールが正当な送信元から送られたものであり、途中で改ざんされていないことを確認します。

DKIMは以下の4ステップで進行していきます。

  1. メール配信者が公開鍵情報をDNSサーバに登録
  2. メール配信者が電子署名を付与したメールを送信
  3. メール受信者が公開鍵情報をDNSサーバへ要求
  4. メールに添付された電子署名を検証

この流れを無事通過すると、メールが受信されます。

DKIMの設定方法

利用しているメール配信システムを提供する企業に「DKIMの情報」を教えてもらうと、「ドメインキー」というものを取得できます。

あとは独自ドメインを管理しているレンタルサーバなどの管理画面に入り、TXTレコードにドメインキーを記載すれば完了です。

DMARC

DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)は、SPFとDKIMを組み合わせ、なりすましメール対策を強化するための仕組みです。

SPFやDKIMの認証に失敗したメールに対して、受信側のメールサーバーがどのように処理するかを、送信側がポリシーとして設定することができます。

設定できる処理の方法は以下の3つです。

  • reject=受信を拒否する
  • quarantine=隔離を行う
  • none=何もしない

またDMARCは以下のステップで進行していきます。

  1. 配信したメールがSPFやDKIMの認証が成功したら受信サイドへ届く
  2. 認証されていない状態で、「none」「quarantine」を設定していると受信サイドへ届く
  3. 認証されていない状態で「reject」を設定しているとメールは届かない

独自ドメインを使って配信するメールの送信元情報、認証結果に関しては、DMARCレポート(統計情報)として取得できます。

DMARCの設定方法

DMARCの場合は、独自ドメインを管理しているレンタルサーバなどの管理画面に入り、DMARCを入力します。

手順は以下のようになります。

  1. 「_dmarc.」のあとにメールサーバのドメインを記入。
  2. 「p=」の部分には、認証を失敗した際のポリシーとして「none」「quarantine」「reject」のいずれかを選択(先述したとおり、今回のGmailのガイドライン変更にともなるDMARC対応としては「none」でも問題ないとされています)。
  3. 「rua=」の部分には、集約レポートを受信するメールアドレスを記入。
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IPアドレスのレピュテーションも大切

メルマガを配信する際には、SPF、DKIM、DMARCといった認証技術の設定だけでなく、IPアドレスのレピュテーションにも気を配ることが重要です。

IPアドレスのレピュテーションとは、そのIPアドレスが過去にどのように使われてきたか、つまり「IPアドレスの評判」のことです。

もし、同じIPアドレスからスパムメールなどが大量に送信されていたり、ブラックリストに登録されていたりすると、そのIPアドレスのレピュテーションは低下します。

レピュテーションが低いIPアドレスからメルマガを配信すると、Gmailなどのメールサービスプロバイダは、そのメルマガを迷惑メールと判断し、受信トレイに届けることなく、迷惑メールフォルダに振り分けてしまう可能性が高くなります。

Webマーケティング担当者としては、せっかく時間をかけて作成したメルマガを、顧客に読んでもらえないのは避けたいですよね。

では、IPアドレスのレピュテーションを高く保つためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?

信頼性の高いメール配信システムを利用する

信頼性の高いメール配信システムは、適切なセキュリティ対策を施し、IPアドレスのレピュテーション管理を徹底しています。

そのようなシステムを利用することで、IPアドレスのレピュテーション低下によるトラブルを回避することができます。

IPアドレスのレピュテーションを定期的にチェックする

Sender ScoreTalos Intelligenceなどのツールを利用することで、IPアドレスのレピュテーションをチェックすることができます。

定期的にチェックを行い、レピュテーションが低下している場合は、原因を調査し、適切な対策を講じるようにしましょう。

配信リストを適切に管理する

無効なメールアドレスや、メルマガ配信を希望していないユーザーのメールアドレスを配信リストに残しておくと、バウンス率や苦情率が高くなり、IPアドレスのレピュテーションに悪影響を与える可能性があります。

配信リストは定期的にクリーンアップし、常に最新の状態に保つように心がけましょう。

IPアドレスのレピュテーションを高く保つことは、メルマガの到達率向上に繋がり、ひいては顧客エンゲージメントや売上増加にも貢献します。

Webマーケティング担当者として、IPアドレスのレピュテーション管理もしっかりと行いましょう。

フィッシングメールと誤解される件名は避ける

せっかくメルマガを配信しても、Gmailの迷惑メールフォルダに振り分けられてしまっては、ユーザーに読んでもらえません。

Gmailの迷惑メールフィルターは、件名もチェックしているため、フィッシングメールと誤解されるような件名は避ける必要があります。

では、具体的にどのような件名に注意すれば良いのでしょうか?

危険なキーワード

「緊急」「重要」といった言葉や、個人情報と金銭に関するワードを件名に含めるのは避けましょう。

これらのワードは、フィッシングメールでよく使われるため、迷惑メールフィルターに引っかかりやすくなります。

例えば、以下のような件名は注意が必要です。

  • 【緊急】アカウント情報更新のお願い
  • 【重要】パスワードの変更について
  • 【お振込みのお願い】

件名でユーザーを騙す行為

ユーザーを騙したり、誤解を招いたりするような表現も避けましょう。

例えば、実際には当選していないのに「当選おめでとうございます!」と記載したり、虚偽の内容でユーザーをサイトに誘導したりするような件名は、迷惑メールと判断される可能性があります。

長すぎる件名

長すぎる件名は、ユーザーに読んでもらえないだけでなく、迷惑メールフィルターにも引っかかりやすくなります。

件名は、メルマガの内容を簡潔に伝え、ユーザーの興味関心を惹きつけるような、短く分かりやすいものにするように心がけましょう。

おすすめの件名

開封率アップの観点からも、「メリットを伝える」「興味関心を惹きつける」「簡潔で分かりやすい」という3ポイントをおさえることをオススメします。

メリットを伝える

例:「【会員限定】新作○○を10%OFFでゲット!」

興味関心を惹きつける

例:「知らないと損する!?最新○○トレンド」

簡潔で分かりやすい

例:「今週のおすすめ商品ベスト10を大紹介!」

件名は、メルマガを開封してもらうための最初の関門でもあります。

ユーザーの興味関心を惹きつけ、かつ迷惑メールフィルターに引っかからないような、適切な件名を設定しましょう。

掲載するURLをチェックしよう

メルマガにURLを記載する際は、正しいURLであることはもちろん、安全なURLであるかどうかも注意深く確認する必要があります。

なぜなら、メルマガに不適切なURLが掲載されていると、Gmailプロバイダに迷惑メールと判断され、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう可能性があるからです。

URLの種類と注意点

メルマガに掲載するURLには、以下のような種類があります。

自社サイトのURL

誤字脱字がないか、リンク切れになっていないかを確認しましょう。URLがHTTPS化されていることを確認しましょう。

外部サイトのURL

リンク先のサイトが安全なサイトであるかを確認しましょう。

違法なコンテンツやアダルトコンテンツを含むサイトへのリンクは避けましょう。短縮URLは使用せず、正式なURLを記載しましょう。

ファイルダウンロードのURL

ダウンロードさせるファイルが安全なファイルであるかを確認しましょう。ウイルス感染などのリスクがないか、最新のセキュリティソフトでスキャンしましょう。

迷惑メールと判断されるURLの特徴

Gmailなどのメールサービスプロバイダは、以下のような特徴を持つURLを迷惑メールと判断する可能性があります。

短縮URL
リンク先のサイトが不明瞭なため、フィッシング詐欺などに悪用される可能性があります。
特殊文字を含むURL
URLに特殊文字が含まれていると、エンコードが正しく行われず、リンク切れになる可能性があります。
無料ブログサービスのURL
無料ブログサービスは、スパムメールなどに悪用されるケースが多いため、迷惑メールと判断される可能性があります。
アダルトサイトや違法サイトのURL
これらのサイトへのリンクは、迷惑メールとして扱われる可能性が非常に高いです。

URLチェックツールを活用しよう

URLの安全性を確認するために、Google Safe BrowsingなどのURLチェックツールを活用するのも有効な手段です。

これらのツールは、URLを分析し、マルウェア感染やフィッシング詐欺などのリスクを評価してくれます。

まとめ

今回はGmailに向けてメルマガを配信する際の注意点について解説させていただきました。

2024年2月に改定されたGmailのガイドラインでは、送信メールの認証が必須となり、SPF、DKIM、DMARCといった技術の導入が求められています。

これに加えて、配信元のドメインやIPアドレスのDNSレコード設定、迷惑メール率の監視、メール形式の標準規格への準拠など、メルマガ配信者が対応すべき項目は多岐に渡ります。

SPF、DKIM、DMARCはそれぞれ、メールの送信元を認証し、なりすましや改ざんを防ぐための技術です。

これらの技術を正しく理解し、設定することで、メルマガの信頼性を高め、迷惑メールフォルダへの振り分けを抑制することができます。

また、IPアドレスのレピュテーションもメルマガの到達率に影響します。

信頼性の高いメール配信システムを利用したり、IPアドレスのレピュテーションを定期的にチェックしたりするなど、適切な管理を行いましょう。

フィッシングメールと誤解されるような件名や、不適切なURLの掲載も、迷惑メールと判断される可能性があります。

Gmailユーザーにメルマガを確実に届けるためには、これらの注意点を守り、適切な設定と対策を行うことが重要です。

正しい対策と運用によって、迷惑メールと判断されないメルマガを配信しましょう!

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