メルマガが迷惑メールに分けられてしまう!その原因と防止法を解説!

2024年09月05日

メルマガが迷惑メールに分けられてしまう!その原因と防止法を解説!

メルマガの運用を誤ると、正当なものであっても受信側で「迷惑メール扱い」と判断される場合があります。

主な原因としては、

  • 内容が不適切
  • メール配信の環境が整っていない

などがあげられます。

そこで今回は『【SPF・DKIM】正当なメールが迷惑メールになる原因と防止法を解説!』と題し、メルマガが迷惑メールになる原因と防止法、認証技術について解説します。

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    目次

  1. 1メルマガの開封率が低い!これって迷惑メールになってるからかも!
  2. 2迷惑メールについて理解を深める
  3. 2.1主な迷惑メールの種類について
  4. 2.2急増するなりすましメールの参考例
  5. 3正規のメールがなぜ迷惑メールになるのか
  6. 4Gmailは迷惑メールへの判定基準が厳しい
  7. 5迷惑メール扱いを防止する方法について
  8. 5.1迷惑メール扱いを防止する方法①「内容の見直し」
  9. 5.1.1メールの件名やテキストの問題を解消する
  10. 5.1.2適切なURLを使う
  11. 5.1.3画像、添付ファイルなどを適量にする
  12. 5.1.4いつでも登録解除可能なリンクを載せる
  13. 5.1.5過剰なまでの情報発信を行わない
  14. 5.2迷惑メール扱いを防止する方法②「システム上の見直し」
  15. 5.2.1認証技術であるSPFやDKIMを設定する
  16. 5.2.2ヘッダFromでなりすましは厳禁
  17. 5.2.3DNSサーバへの設定を正しく行う
  18. 5.2.4ブラックリスト入りしているか確認
  19. 5.2.5ガイドライン違反を正す
  20. 5.2.6無効なメールアドレスを排除し配信リストをきれいにする
  21. 5.2.7配信実績を積んでから一斉配信を行う
  22. 5.2.8配信速度や配信する規模に注意
  23. 5.2.9サーバ内の悪質な業者を排除する
  24. 5.2.10酷似しているメールアドレスは変えるor使用を控える
  25. 6SPFの仕組みや設定方法などについて
  26. 6.1SPFはどんな認証技術か
  27. 6.2SPFの設定方法について簡単に解説
  28. 6.2.1SPFレコードとは何か?
  29. 6.3SPF設定で起こるメリットとデメリット
  30. 6.3.1SPF設定で得られるメリット
  31. 6.3.2SPF設定で発生するデメリット
  32. 7DKIMの仕組みや設定方法などについて
  33. 7.1DKIMはどんな認証技術か
  34. 7.2DKIMの設定方法について簡単に解説
  35. 7.2.1DKIMの設定の主な流れ
  36. 7.3DKIM設定で起こるメリットとデメリット
  37. 7.3.1DKIM設定で得られるメリット
  38. 7.3.2DKIM設定で発生するデメリット
  39. 8ヘッダFromの改ざんを見抜くのはDMARC
  40. 9コンビーズメールプラスについて
  41. 10まとめ

メルマガの開封率が低い!これって迷惑メールになってるからかも!

メルマガを一生懸命配信しているのに、どうしても開封率が低い…そんな悩みを抱えていませんか?

実は、その原因のひとつに「迷惑メール」として扱われてしまっている可能性があります。では、どうして迷惑メールと判断されてしまうのでしょうか?

たとえば、件名に過剰な表現や煽り文句が使われていたり、本文が画像のみで構成されていると、怪しいメールと判断されることがあります。

また、配信元の認証技術(SPFやDKIM)が設定されていなかったり、適切なURLを使っていない場合も、迷惑メール扱いになる原因になります。

迷惑メールフォルダに入ってしまうと、読者が気づかずにそのまま削除されてしまうことも。

これが続くと、開封率がどんどん低下してしまいます。

迷惑メールについて理解を深める

一言で「迷惑メール」といっても、どういった種類があるかご存知でしょうか?

迷惑メールの定義を簡単に説明すると、詐欺まがいの内容やウイルスをメールで送って、受信側に不利益を与える行為を総称します。

特に最近、増加傾向にある迷惑メールとして、実在する大手企業や団体組織を装って送り付けてくる「なりすましメール」があります。

Amazon楽天、携帯電話の各キャリア(Softbank、docomo、auなど)を装い送られてくる、迷惑メールを目にするかと思います。

あたかも大手企業からのメールと思わせて、個人情報を盗んだり架空請求する悪質な詐欺となっています。

主な迷惑メールの種類について

以下では、迷惑メールの種類について解説します。

フィッシングメール
フィッシングメールとは、偽物のアカウント入力フォームのページなどへアクセスさせて、特定のサイトのアカウントやパスワードのほか、クレジットカード番号を盗むために使われる方法です。
架空請求メール
架空請求メールとは、見覚えのないサイトから、使用したことのない利用料金を請求してくるものです。
ウイルスメール
ウイルスメールは言葉どおり、受信側にウイルスを感染させて、端末に不具合を起こしたり、情報収集や遠隔操作などを行うものです。

急増するなりすましメールの参考例

ではここで、なりすましメールの例を見てみましょう。こちらは実際に送られたメールの一部を改変して記載しています。

なりすましメールの概要は下記のとおりです。

差出人

x-xxxxxxxxxx@kakavas-klonizaki.com

件名

支払いの詳細 – 注文番号

本文

平素よりお世話になっております。

株式会社〇〇のXXXXXXで御座います。

表題の件につきまして、添付ファイルにて

お送りさせて頂きますので、お手数では御座いますが

ZIPファイル解凍用パスワード: (ここに数字の羅列)

料金明細をチェック

(ここにURL)

~以下略~

このように本文だけではなりすましメールかどうか判別することは正直難しいです。ログインや入金、ダウンロードなどを求めるメールの場合は必ず送られてきた元のメールアドレスをチェックしましょう。正規のものとは異なるドメインになっているはずです。

このように「さも本物のようになりすまして」被害を加えてくるのが、手口となります。

配信したメルマガがなぜ迷惑メールになるのか

悪意なくメルマガ配信を行っていても、迷惑メール扱いにされてしまうケースがあります。

多くの場合は以下の内容が、迷惑メール扱いになっている原因となっています。

迷惑メール扱いになっている原因

  • メールの件名やテキストに問題がある
  • テキスト内に過剰な表現や記号による装飾が多い
  • 適切なURLが使われていない
  • 画像や添付ファイルの容量が大きすぎる
  • 登録解除が可能な入力フォームのリンクがない
  • 不必要な情報(または量)を受信者に送っている
  • ヘッダFromの設定が不適切
  • SPFやDKIM認証を受けていない
  • DNSが正しく設定されていない
  • 送信元のIPアドレス・ドメインがブラックリスト入りしている
  • ガイドライン違反を犯している
  • IPレピュテーションが低い
  • 無効なメールアドレス(受信側)にメルマガを送り続けている
  • 配信実績が低い段階で一斉配信をしている
  • 配信速度が適切ではない
  • サーバ内に悪質な業者が存在している
  • 使用しているメールアドレスが他社と酷似している

このような内容に当てはまっている場合、正規のメルマガであっても迷惑メールと判断されてしまう恐れがあります。

Gmailは迷惑メールへの判定基準が厳しい

Gmailは迷惑メールに対し判定基準が厳しく、ガイドラインを遵守せずにメルマガを配信すると、迷惑メール扱いになります。

2024年にGoogleはガイドラインの変更をおこない、基本的にすべてのメール配信者は対応を求められることとなりました。

理由としては、急増するなりすましメールの被害拡大から、Gmailアカウントを使うユーザーを守ることであると考えられています。

主に対応しなければいけない変更されたガイドラインとしては、

  • SPF、DKIM、DMARCの設定がされているか
  • 配信元のドメイン、IPアドレスに有効なDNSレコードが存在するか
  • Postmaster Tools内での迷惑メール率を0.3%未満にしているか
  • Internet Message Format標準に準拠する形式で作る
  • ヘッダFromのなりすましの禁止
  • ダイレクトメールの場合、送信者FromドメインはSPFかDKIMに一致させないといけない
  • 登録解除用のリンクを載せる

といったものとなっています。

詳しくは、下記の記事をご参照ください。

迷惑メール扱いを防止する方法について

メルマガが迷惑メールとして扱われないようにするためには、以下のような方法が考えられます。

  • 件名や本文を見直す
  • 適切なURLを使用する
  • 画像、添付ファイルを適量にする
  • 登録解除のためのリンクを掲載する
  • 適度な回数の配信をおこなう
  • SPFやDKIMを設定する
  • ヘッダfromを他社のドメインにしない
  • DNSサーバへの設定を正しくおこなう
  • ブラックリスト入りしていないかを確認する
  • ガイドライン違反を正す
  • アドレスリストをメンテナンスする
  • 配信実績を積む
  • 配信速度や配信数に注意する
  • サーバ内の悪質業者を排除する
  • 他社とアドレスが似ていないかをチェックする

それぞれについて詳しくみていきましょう。

迷惑メール扱いを防止する方法①「内容の見直し」

配信しているメルマガの内容が、適切かどうかをチェックしましょう。

メールの件名やテキストの問題を解消する

メルマガの件名やテキストが不適切な内容だと、迷惑メール扱いになります。

主に注意すべきことは4つあります。

メールの件名や本文中のテキストは必ず記載する

配信するメルマガの件名と本文中のテキストは、必ず記入することをおすすめします。

内容が不透明になると受信者は怪しいメールと判断し、開封しなかったり、メーラー(OutlookやGmailなど)によって迷惑フォルダに振り分けられる可能性が高まります。

文章の過剰な表現は避ける

煽り文句を多用しすぎると、迷惑メール扱いになる可能性があります。

「すぐキャンペーンに申し込もう」「すぐに稼げる」などの表現は、迷惑メールの表現と判断される可能性が高く、使うことを控えたほうが良いでしょう。

また、迷惑メールを送り付けてくる業者がよく使いそうな表現として、アダルト系や出会い系で出てきそうな単語も、迷惑メールとして判断される恐れがあるので、文章作成時は慎重になりましょう。

装飾として飾り罫線を使用しない

テキストメールでは、よく記号を使った飾り罫線があります。

「▼△▼△▼△▼△▼△▼△」など▼や〇などを用いた飾り罫線は、迷惑メールとして判断されやすくなります。

あまり多用しないようにしましょう。

装飾を過剰に行わない

過剰なまでに文字の色やサイズを変更すると、迷惑メールと判断される場合があります。

文字の装飾は必要最低限に抑えましょう。

適切なURLを使う

セキュリティが低いサイトのURL、短縮したURLは、結果的に迷惑メールと判断される可能性が高くなります。

アフィリエイトリンクも同様に、貼り付けて送ってしまうと不審なメールと判断されるので、貼らないほうが得策です。

画像、添付ファイルなどを適量にする

メルマガにあまりに大量の画像を貼り付けていたり、容量の大きいファイルを添付すると、迷惑メール扱いになる可能性があります。

画像の場合はメルマガの全体の30%程度に抑えて、添付ファイルは極力付けないことをおすすめします。

また、受信側のメーラーによっては、HTMLメールなどの形式が適応せず、迷惑メールとして非表示になる場合があります。

いつでも登録解除可能なリンクを載せる

受信者が定期購読しているメルマガが不要と思った際に、簡単に登録解除ができるようにする必要があります。

登録解除が可能なフォームのリンクや連絡先は、配信側は掲載することが義務付けられています。

登録解除ができなかったり、手間がかかる場合、受信者が迷惑メールとして報告する可能性が高まりますので、必ず明記しましょう。

そのほかにも、必ず明記しておかなければいけない項目がいくつかあります。

詳しくは下記リンクをご参照ください。

あなたのメルマガが迷惑メールに?遵守すべき法律・特定電子メール法とは

過剰なまでの情報発信を行わない

受信者が望まない回数のメルマガ、不必要な情報を送りすぎてしまうと、未読スルーされる場合があります。

欲しいと思われる情報、受信者が開封したくなるような情報を精査して送らないと、いずれ迷惑メールとして判断されてしまうので、読みたくなる内容のメルマガを適度な回数で配信しましょう。

迷惑メール扱いを防止する方法②「システム上の見直し」

適切なメールアドレスを使っているかや、安全なサーバを利用しているかなどの確認もしましょう。

認証技術であるSPFやDKIMを設定する

迷惑メールと誤認されることを防ぐ認証技術として、SPF( Sender Policy Framework )があります。

また、正当なメール配信者から送られてきたものかを証明するものとして、DKIM( Domain Keys Identified Mail )もあります。

この2つの認証を受けていないと、正当なメルマガであっても迷惑メール扱いになる可能性があります。

認証技術に関しては『迷惑メールに振り分けられないための認証技術』で詳しく解説します。

ヘッダFromでなりすましは厳禁

ヘッダFromとはメーラーに表示される差出人名のことです。この部分を他社のドメインにしていると、なりすましメールだと判断されます。

自社のドメイン以外で設定すると、なりすましメールとなってしまうため絶対に行ってはいけません。

DNSサーバへの設定を正しく行う

DNSサーバへの設定も正しく行わないといけません。

Aレコード、MXレコード、PTRレコード、TXTレコードの各項目が、正しく設定されていないと迷惑メール扱いになる可能性があるので、必ず間違いがないか確認しましょう。

ブラックリスト入りしているか確認

正当なメルマガ配信をしていても、正しい運用を行わないと、自社のIPアドレスやドメインがブラックリスト(メールプロバイダの独自リストやNPOが管理するもの)に入る恐れがあります。

主に、迷惑メール扱いとなりブラックリスト入りする可能性のある運用例として、

ブラックリスト入りする可能性

  • 一度に大規模なメール配信をする
  • 無効となっているメールアドレスに何度も配信する

といったものがあります。

ブラックリスト入りしてしまうと到達率が低下してしまうので、正しい運用とリスト入りしていないかのチェックをしましょう。

ガイドライン違反を正す

『Gmailは迷惑メールへの判定基準が厳しい』でも解説したとおり、受信側が利用しているメーラーがフリーメールの場合、必ずガイドラインが設けられています。

配信側は、フリーメールを提供する企業のガイドラインに応じて配信を行わないと違反となり、迷惑メールと判断されてしまいます。

必ず、ガイドラインのチェックと、対応すべき項目はちゃんと処置しましょう。

無効なメールアドレスを排除し配信リストをきれいにする

タイプミスのメールアドレスや、使われていないメールアドレスに対し、メルマガを送り続けると、配信先のサーバから不正な動きをしているとみなされ、迷惑メール扱いされる可能性があります。

配信実績を積んでから一斉配信を行う

配信実績の低いメールアドレスからメルマガ一斉配信すると、迷惑メール扱いになる可能性があります。

実績の高い低いなどを判断する方法としては、送信元のIPアドレスをもとに評価されます。

これをIPレピュテーションといいます。

簡単に言うと、評価が低い状態で一斉配信すると悪質な業者と誤解される場合があるということです。

いきなり大規模な数のメルマガ配信をおこなうのではなく、小規模での配信を繰り返して実績を積んでいくほうが安全だといえるでしょう。

配信速度や配信する規模に注意

『配信実績を積んでから一斉配信を行う』と同じことではありますが、配信速度を高めに設定していると、迷惑メール扱いになる可能性があります。

一度に大規模なメルマガを速く送ると、メールプロバイダ側で一時的に受信拒否される場合があるので、適切な速度で時間をかけて小分けに配信し、ブロックされないようにしましょう。

サーバ内の悪質な業者を排除する

メルマガ配信するときに用いるメール配信システムのサーバが、共用サーバ(※)である場合も注意が必要です。

セキュリティがしっかりした共用サーバであったとしても、その中に質の悪いメール配信をする業者が居た場合、サーバの評価が落ちてしまう可能性があります。

評価が下がると、いくら自身が問題のないメルマガを配信しても、受信する側で迷惑メール扱いとなってしまい、迷惑フォルダに振り分けられる場合があります。

マナーを守って運用しても、予期せぬところで影響を受ける場合もあります。

安定したメール配信は専用サーバーがおすすめ

共用サーバとは?(※)
メール配信システムは数多くの配信サーバーを保有しており、大量のメールを分散させて配信していますが、メール配信システムの契約アカウント全体で共同利用します。この仕組みを、共用サーバといいます。

酷似しているメールアドレスは変えるor使用を控える

最近、なりすましメールとして、他社と酷似したメールアドレスを作成し、迷惑メールを送る悪質な業者が増えています。

メルマガを送る際は、酷似したメールアドレスがないかなどを、チェックしたうえで使うのをおすすめします。

あまりに他社とメールアドレスが似ている場合、迷惑メール扱いで届かない可能性が高まります。

SPFの仕組みや設定方法などについて

迷惑メールに振り分けられないための認証技術

SPFは『認証技術であるSPFやDKIMを設定する』で解説したとおり、メルマガが迷惑メール扱いにならない防止法として、認証技術を設定するのは大切です。

以下では、認証技術であるSPFについて解説します。

SPFはどんな認証技術か

SPFとは、正当なメールが迷惑メール扱いになるのを防ぐための認証技術です。

配信者はIPアドレスをDNSサーバへ登録すると、SPFレコードとして情報が保管されます。

このSPFレコードは、受信者側が配信元の情報を照合するのに使います。

受信者は、受け取ったメールのIPアドレスとSPFレコードが一致するか確認するために、配信者サイドのDNSサーバに問い合わせを行い、一致した場合はメールをそのまま受信し、不一致であれば受信拒否などを行います。

このような過程を通ることで、メールが正規か非正規かを判断します。

SPFの設定方法について簡単に解説

SPFの設定をする場合、今使っているメール配信システム会社に問い合わせて、

「SPF設定のためのレコード情報」

を教えてもらいます。

取得したSPFレコードを、自社のドメイン管理しているドメイン登録サービス会社か、レンタルサーバ会社などの、管理画面で記入すれば完了します。

SPFレコードとは何か?

SPFレコードを簡単に説明すると、基本形は主に2つあり、メルマガを配信するサーバのIPアドレスドメインで、設定することができます。

IPアドレスの場合は「v=spf1 ip4:(IPアドレス)~all」
ドメインの場合は「v=spf1 include:_spf.example.com ~all」

となっています。

仮にIPアドレスでSPF設定すると、そのIPアドレスから配信されたメールをどう処理するかは、
  • 「-all」
  • 「~all」
  • 「?all」

のいずれを選択するか、で変化します。

「-all」(ハードフェイル)
設定したIPアドレスからのメール配信のみを許可して、他すべてのIPアドレスからのメール配信を拒否します。
「~all」(ソフトフェイル)
設定したIPアドレスからのメール配信を許可して、他のIPアドレスからのメール配信を完全拒否するのではなく、疑わしいものとして警戒します。
「?all」(ニュートラル)
設定したIPアドレスからのメール配信以外のものは、特に信用も疑いももたない、「中立」という立ち位置となります。

基本的にSPFを設定する際は「~all」からスタートすることが多いです。

理由として「-all」はセキュリティが強いので、SPFの認証に失敗した不正なメールを完全に拒否できる反面、正当なメールも誤って拒否(何らかの原因により認証失敗した場合)される恐れがあります。

そのため、「~all」からはじめて、正当なメールも誤って拒否される原因を調べて、問題がなければ「-all」に移るとよいとされています。

SPF設定で起こるメリットとデメリット

SPF設定にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。

SPF設定で得られるメリット

SPFを設定すると、自社のドメインを悪用したなりすましメールを防ぐことができます。

これにより、自社のドメインから配信された正当なメールであることを、受信者へ証明できるため、迷惑メールフォルダへ振り分けられる可能性が下がります。

また、なりすましメールに使用されにくくなるので、自社のドメインの信用度を維持できます。

SPF設定で発生するデメリット

SPF設定で発生するデメリットを簡単に列挙すると、

SPF設定のデメリット

  • 転送されたメールは認証失敗する可能性がある
  • メールに表示されるヘッダFromを認証しない
  • 自社のドメインがヘッダFromのなりすましに利用されるのを防げない
  • SPFの認証失敗があった場合、メールの拒否などは受信者に託される

といったものがあります。

SPFの一番のデメリットは、改ざんされたヘッダFromを見抜けないことです。

特にデメリットとして大きいのは、ヘッダFromに記載されているドメインとSPFに登録されているものが一致しているかをチェックすることができないことです。

DKIMの仕組みや設定方法などについて

DKIMは『認証技術であるSPFやDKIMを設定する』で解説したとおり、正当な配信者から送られてきたメールであることを証明できます。

以下では、認証技術であるDKIMについて解説します。

DKIMはどんな認証技術か

DKIMとは?
DKIMとは、メールに付与された電子署名の情報を使い、送られてきたメールが正当な配信者からなのか、なりすましなのかをチェックする認証技術です。

まず、配信者はDNSサーバに公開鍵を登録し、次に配信するメールに秘密鍵を付与します。

そして、いつも通りのメール配信を行います。

すると、受信者側は配信されたメールに付与されている電子署名をもとに、DNSサーバへ公開鍵を要求します。

最終的には、取得した公開鍵で電子署名を検証して、一致したら受信する、不一致なら拒否などの対応をします。

つまり、秘密鍵は「電子署名を作成する鍵」で、公開鍵は「電子署名を検証する鍵」となります。

DKIMの設定方法について簡単に解説

DKIMの設定をする場合、今使っているメール配信システム会社に問い合わせて「DKIMの情報」を教えてもらうと、「ドメインキー」を取得できます。

あとは、自社のドメイン管理しているドメイン登録サービス会社か、レンタルサーバ会社などの、管理画面で記入すれば完了します。

DKIMの設定の主な流れ

DKIMの設定の主な流れを細かく解説すると、

DKIM認証の主な流れ

  1. 公開鍵と秘密鍵のペアであるDKIMキーを生成する
  2. 公開鍵をDNSサーバへ追加する
  3. 受信者が公開鍵をDNSサーバへ要求する
  4. 秘密鍵をメールサーバへ保存
  5. メールサーバの設定を更新し配信されている全メールへDKIM署名を追加

という感じになっています。

DKIM設定で起こるメリットとデメリット

DKIMを設定することで、正当な配信者であることを証明できるメリットがある反面、デメリットも存在します。

DKIM設定で得られるメリット

まずは、メリットから説明します。

なりすましメールから受信者を守れる

  • メリットDKIMを設定することで、メールの配信元が正当か、そうでないかを受信者はチェックすることができるため、受信者をなりすましメールの攻撃から守ることができます。

配信者の信用度が高まる

  • メリットDKIMを設定しているメールは、配信者が自社のドメインを管理している証しとなります。
    そのため、配信者の信用度が高まります。

メールの到達率が向上する

  • メリット認証技術を導入していないと、正当なメールであってもなりすましメールと誤認されて、受信側で拒否などを受ける場合があります。
    DKIMを設定しておくことで、正当なメールであることを証明できるため、誤認を防ぐことができ、到達率を上げることができます。

IPレピュテーションを高められる

  • メリットDKIMの効果により、自社のドメインの評価を高めることができるため、信用度がアップします。

DKIM設定で発生するデメリット

DKIM設定で発生するデメリットを簡単に列挙すると、

DKIM設定で発生するデメリット

  • デメリット導入や管理が少し難しい
  • デメリット電子署名の付与に使用するドメインを認証はするがヘッダFromは認証しない
  • デメリット自社のドメインがヘッダFromのなりすましに悪用されていることを防げない
  • デメリットSPFよりも普及率は低いので認証失敗したメールでも受信者に拒否されることは少ない

というものがあります。

特にSPFと同様に、DKIMはあくまで配信されたメールが、電子署名に登録されたドメインから来たものかどうかを確認し、途中でその内容が改ざんされていないことを保証するための認証技術となっています。

そのため、なりすましメールを直接識別することはできません。

ヘッダFromの改ざんを見抜くのはDMARC

SPFDKIMは認証技術として優れていますが、各認証技術に登録した自社のドメインとは別のドメインをヘッダFromに記載した、なりましメールの処理は行うことができません。

そこで推奨されているのが、DMARCです。

認証技術のDMARCは、ヘッダFromを改ざんしたなりすましメールが発生した場合、適切な処理を行うことができます。

詳しくは下記リンクをご参照ください。

DMARCとは何か?仕組みやメリットの解説&設定方法について紹介

コンビーズメールプラスについて

コンビーズメールプラス

当社が提供するメール配信システム・Combz Mail PLUS(コンビーズメールプラス)も、セキュリティ対策として認証技術を導入しています。

コンビーズメールプラスの場合は、SPF、DKIM、START TLSを導入しています。

SPFは標準対応しており、DKIMは第三者署名と作成者署名(作成者署名のみオプション機能)を用意しています。

また、メール暗号化のSTART TLSも標準対応しているため、メールの内容を盗み見される心配もありません。

さらに、共用サーバでは不安な方には、オプションとして専用サーバ配信もおすすめしています。

メルマガのメール配信をご検討の方は、セキュリティ万全のコンビーズメールプラスの導入を、ぜひ、ご検討ください。

まとめ

今回の記事はいかがでしたでしょうか?

例え悪意なく、有益な情報をメール配信していても、予期せぬことで迷惑メール扱いになる可能性は十分にあります。

まずは、正しい運用ができているかのチェック、メールアドレスやサーバに問題がないかなどを調べることをおすすめします。

特にメール配信システムを選ぶ際は、認証技術が導入されているかをチェックするのは大切です。

セキュリティ体制が万全なメール配信システムを選びましょう。

以上、『【SPF・DKIM】正当なメールが迷惑メールになる原因と防止法を解説!』でした。

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