2024年09月27日
メルマガがどれだけ商品の販売やセミナーの集客に繋がったのか。担当者ならば誰もが知りたいところだと思います。
このようないわゆる「コンバージョン」の測定方法として、Google Analyticsとメール配信システムの分析ツールが主に利用されます。
そこで今回は、メルマガ配信のコンバージョン測定にGA4を活用する具体的な方法について解説したいと思います!
Google Analyticsは最近「UA」から「GA4」(Google Analytics 4)にバージョンアップし、仕様が一部変更されました。あまり慣れない方もいらっしゃるかと思うので、その変更点についても少し触れながら説明していきます。
メルマガの開封率を測定する方法についてはこちら
効果測定に必要な指標(KPI)と、KPIを活用したPDCAの回し方についてはこちら
目次
GA4とは、Googleが無償で提供しているサイトへのアクセスを分析するためのツールです。
GA4に自社のWebサイトを登録することで、そのWebサイトに訪れたユーザーの行動を様々な角度から分析することができます。
例えば、
といった情報を把握することで、Webサイトの改善点を見つけたり、マーケティング施策の効果を測定したりすることができます。
GA4は、2023年7月1日より従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)からバージョンアップされました。UAでは「セッション」を軸とした分析がメインでしたが、GA4では「ユーザー」を中心とした分析にシフトしています。
この変更により、複数のデバイスをまたいだユーザー行動を追跡できるようになったり、AIを活用した予測分析機能が追加されたりと、より高度な分析が可能になりました。
一方で、UAで使えていた一部の指標やレポートが廃止されたり、定義が変更されたりしているため、注意が必要です。
GA4への移行により、廃止される指標は27項目あります。
GA4では従来のUAから名称が変更された指標が22項目あります。
GA4で定義などが変わる指標 | |
---|---|
旧 | 新 |
ユーザー | ユーザー数 |
新規ユーザー | 新規ユーザー数 |
直帰率 | エンゲージメントのなかったセッションの割合 |
平均セッション時間 | セッションあたりの平均エンゲージメント時間 |
ヒット数 | イベント数 |
目標の完了数 | コンバージョン |
目標値 | イベントの値 |
コンバージョン率 | セッションのコンバージョン率 |
ページビュー数 | 表示回数 |
平均ページ滞在時間 | 平均エンゲージメント時間 |
exit | 離脱数 |
ランディングページ数 | 閲覧開始数 |
検索回数 | view_search_results |
検索を伴うセッション数 | view_search_results |
合計イベント数 | イベント数 |
イベントの発生したセッション | セッション |
トランザクション数 | eコマース購入数 |
収益 | eコマースの収益 |
平均注文額 | 購入による平均収益 |
内部プロモーションのクリック数 | アイテムプロモーションのクリック数 |
商品がカートに追加された数量 | カートに追加 |
ユーザーあたりの収益 | ユーザーあたりの平均購入収益額 |
GA4では、メルマガの効果測定に役立つ様々な指標が用意されています。
これらの指標を理解し、適切に活用することで、メルマガ施策の改善やコンバージョン率向上に繋げることができます。ここでは、特に重要な指標をいくつか紹介します。
メルマガ内のリンクのクリック数や、メルマガ経由で発生したコンバージョン数などを計測できます。これらのイベント数を追跡することで、メルマガの効果を具体的に把握することができます。
メルマガ経由で発生したコンバージョン数を、メルマガの送信数や開封数で割った値です。メルマガがどれくらいコンバージョンに貢献しているかを測る指標となります。
今回はこのコンバージョンについて主に後半で解説させていただきます。
メルマガ経由でWebサイトに訪れたユーザーが、サイト内でどのくらい積極的に行動したかを示す指標です。例えば、ページビュー数、滞在時間、スクロール深度などを計測することができます。
メルマガ経由でWebサイトに訪れたユーザーの属性(年齢、性別、地域など)を分析できます。これらの情報を活用することで、メルマガのターゲット層を明確化し、より効果的な施策を展開することができます。
これらの指標に加えて、GA4では、ユーザーの行動を時系列で追跡できる「ユーザーエクスプローラー」や、複数の条件を設定して詳細な分析ができる「セグメント」などの機能も活用できます。
GA4でデバイス別のレポートを確認したいときは「レポート→テクノロジー→ユーザー環境の詳細」の順にクリックします。
また、ブラウザ、デバイスカテゴリ、デバイスモデルなど、項目を変更すると確認したいデバイスやブラウザなどの種類を見ることができます。
メルマガにおけるコンバージョンの計測では新規で「イベント」を作成する必要があります。
今回は仮に、コンバージョンの測定で設定されがちなサンクスページ(会員登録後などに表示される挨拶文のページ)を例にします。
問い合わせフォーム入力後に表示される、のサンクスページのURLを「https://〇〇〇.jp/form/thanks」として、そのページの閲覧をコンバージョンとして設定するための手順を紹介していきます。
新規イベントを作成する場合「管理→イベント→イベント作成」をクリックします。
ここでカスタムイベント名を入力するのですが、どんなコンバージョンなのか、一目でわかるような名前にすることをおすすめします。
次は一致する条件を作成します。
今回のコンバージョンでは特定のページの閲覧回数を計測するので、1行目の項目は
「パラメータ=event_name」「演算子=次に等しい」「値=page_view」
とします。
2行目は、https://〇〇〇.jp/form/thanksのページパスである、/thanksを含む全部のページが見られた際に、計測するための設定となります。
入力する内容は
「パラメータ=page_location」「演算子=次を含む」「値=/thanks」
とします。
最後は、カスタムイベントをコンバージョンとして設定します。
「管理→イベント」とクリックすると、先ほど作成したカスタムイベントが追加されているので、「コンバージョンとしてマークを付ける」をオンにします。
もし、既存のイベント欄にカスタムイベントが表れないときは「管理→コンバージョン」の順にクリックし、新しいコンバージョンイベントを押します。
「新しいイベント名」という入力フォームが表示されるので、そこにカスタムイベント名を書き込み、保存を押せば対応できます。
既存のイベントや新規イベントのコンバージョンは「レポート→エンゲージメント→コンバージョン」の順にクリックすることで確認できます。
獲得したコンバージョンの流入元を調べたい場合は、「レポート→集客→トラフィック獲得」の順にクリックすることで確認できます。
パラメータを設定することでコンバージョンがメルマガ経由のものか否かを判別できます。
パラメータを生成せずに効果測定すると、「(direct)/(none)」で表示されてしまい、実際にメルマガのURLを経由したのかがわからなくなります。
パラメータとは変数という意味で、プログラム関係では「システムの外部から渡される数値」を意味します。
計測したいURLの末尾にパラメータをつなぎ合わせることで、GA4上で各パラメータを使ったデータの絞り込みができるようになります。
つなぎ合わせるパラメータは、Googleが提供しているCampaign URL Builder(キャンペーンURLビルダー)を使うことで簡単に生成できます。海外のサイトなので、使用時は日本語翻訳をおすすめします。
生成するとhttps://●●●.com/の末尾にパラメータがつなげられ、https://●●●.com/?〇〇〇のように変換されます。 この「?〇〇〇」以降がパラメータにあたります。
まずキャンペーンURLビルダーにアクセスし、必要事項を入力します。
生成するうえで基本的に必要なのは、WebサイトのURL、キャンペーンソース(utm_source)、キャンペーン媒体(utm_medium)、キャンペーン名(utm_campaign)です。この4つを押さえておくと、最低限の分析が可能になります。
Google Analyticsに登録済みのWebサイトで、メルマガ経由のアクセスとして計測したいURLを入力します。
特定のページに訪れたユーザーが、どこから来たかを特定するために使います。メルマガからの流入を特定したい場合は「mailmagazine」としておくと分かりやすいのでおすすめです。
参照元(utm_source)がどんな媒体かを説明する、パラメータであると認識するとわかりやすいでしょう。メルマガであれば「email」としておくことを推奨します。
どのような施策かを判別するための項目だと思えば、入力に迷わないと思います。年月日を記入すると効果の比較が行えます。
期間限定セールであれば、キャンペーン名に「Limited_sale_20220101」などと書くと分かりやすいです。定期的に配信しているメルマガであれば、年月日の8桁の数字だけでも良いかもしれません。
一連の入力を終えると、URLパラメータが生成されます。実際に、文章内にある参考例を使って作ると、以下のとおりです。
https://●●●.com/?utm_source=mailmagazine&utm_medium=email&utm_campaign=Limited_sale_20220101
メルマガに記載したURLパラメータからどれだけ流入があったかは「レポート→集客→トラフィック獲得」の順にクリックすると確認できます。
メルマガのURLパラメータ経由で流入があった場合、「Email」という項目が追加され、効果を確認できます。
キャンペーンURLビルダーで生成したURLを実際に使ってみましょう。基本的にはhtmlメールで使用することをオススメします。またバナーなどの画像に設置することも可能です。
文章だけで構成されたメルマガをいつもメール配信している場合、URLパラメータをそのままメール本文に貼り付けると不格好になってしまうので、HTML(リッチテキスト)に切り替えることをオススメします。
HTML(リッチテキスト)であれば、「お申し込みはこちら」のようなテキストに対して、簡単にリンクの作成ができます。URLがそのまま本文に表示されるわけではないので、パラメータが見えることなくすっきりとした本文になります。
リッチテキストメールの操作方法などについてはこちら
バナーなどをメルマガ本文内に設置しているなら、画像に対してリンクを貼ることも可能です。この場合もHTML(リッチテキスト)で作成可能です。
メルマガ本文欄の上のメニューにある、写真アイコンの画像の挿入・編集をクリックします。アップロード画面へ進むと、お手持ちの画像をアップロードできます。
リンクの貼り付け方法については、ヘルプも参考にしてみてください!
今回はGA4を活用したコンバージョンの計測方法について解説させていただきました。
GA4を使うと、ユーザーがどこから訪れて特定のWebページに到着したかを分析することができます。
メルマガの開封率やクリック率、直帰率、コンバージョンなどを細かく分析することで、今後のメルマガ配信の傾向と対策に役立てることができます。
URLパラメータを生成すれば、GA4での分析がよりスムーズになるので使わない手はありません。
ぜひこの記事の内容をつかって、メルマガの効果を測定してみてくださいね!
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