2023年08月21日
メールを活用して販促したいと考えた場合、どんな方法があると思いますか?
人によってはメーラー(OutlookやGmailなど)を使って、作成した販促用のメールマガジン(メルマガ)を配信しているかもしれません。
しかし、この方法は大規模なメルマガの配信には不向きなうえ、セキュリティ上の問題もあるので、おすすめできません。
安心安全な状態で大規模なメルマガの配信をやっていきたいと思ったときには、メール配信システムの導入をおすすめしています。
そこで今回は『メール配信システムの選び方を解説!選定ポイントや活用のメリットも紹介』と題して、メール配信システムの仕組みや、導入するメリットまたはデメリットなどについて解説します。
目次
メール配信とは、受け取る側に対してメールを送ることをいいます。
ビジネスシーンでは、従業員が取引先などにメールを送ることもよくありますが、その時に使われるメールソフトのことを「メーラー」と呼びます。
名刺交換した相手に送ったり、お問い合わせしたときに先方からのメールを受け取ったりなど、1対1のメールのやり取りを行うときに利用されます。
メールのやり取りに欠かせないメーラーについてはこちら
一方で、企業がユーザーに対してメール配信を使うことは多く、そのほとんどがメルマガの配信で、商品やサービスの販売促進、企業PRを目的としています。
この記事では、いわゆる「メルマガ」を配信することを「メール配信」と呼んでおり、そのためのツールを「メール配信システム」と呼んでいます。
メール配信システムとは?
メール配信システムとは、『メール配信とは何か?』で解説した「商品やサービスの販売促進、企業PR」のような施策を、安全かつスムーズに行うためのツールです。
システム内に事前に登録しておいたユーザーに対し、人数を問わず一斉配信ができます。
メールの受信側にとって、1つのサーバから大量に配信されたメールは危険とみなされることが多いのですが、
メール配信システムは、
大量のメールを複数のサーバに分散して配信させるように作られている
ことがほとんどです。
効果測定の機能も搭載されているので、配信後の傾向と対策を打ち出すことができます。
では、メール配信システムとは具体的にどんな仕組みなのか、について解説します。
メール配信システムには、クラウド型とオンプレミス型の2つがあります。
それぞれ仕組みが違いますので、自社にあったものを選択できるよう、内容を把握しておきたいところです。
メール配信システムに登録されている、ユーザーすべてに対して同じメールを一斉配信できるのも魅力です。
メーラーでBCCとして送るものとは比べ物にならないほど、多くのユーザーにメール配信するので、汎用性の高い情報(長期休暇のお知らせや、全店一斉セールなど)を送るときに最適です。
特定のターゲット層にメール配信する方法である、セグメント配信を使うことができます。
ターゲットとなる属性としては主に、住所、氏名、年齢、性別、趣味などがあり、これらを活用してターゲティングが可能です。
また、過去の購入商品やよく行くお店なども条件として使うことができます。
セグメント配信は、多くのメール配信システムに搭載されている機能で、自社で取り扱いたい分類をカスタマイズできることが多いです。
セグメント配信でメルマガ配信時間を最適化する
メールを受信する際、1つのサーバから大量のメールを配信すると迷惑メール扱いなど、危険視されます。
そのためメール配信システムでは、数多くのメールを安定的に確実にユーザーに届けるために、複数のサーバに分散して配信させるようにつくられています。
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一般的なメーラーにある機能、BCCを設定してメールを一斉送信している方も、たくさんいるかと思います。
特定電子メール法に遵守していれば、メーラーからメールを一斉送信するのは何ら問題はありませんが、リスクがいくつかあるため推奨できないのが現状です。
ここでは、メーラーからメール配信することのリスクやデメリットを解説します。
メーラーで100件以上の一斉送信をすると、配信先の受信側のメールサーバ側が「迷惑メール」と判断する可能性があります。
そのような判定がなされると、送信に制限がかかってしまいます。
また、何度も実行し続けると、受信側のメールサーバーが配信元を悪徳業者扱いにし、以降配信されてきたメールを拒否する可能性もあります。
各メーラーでは、1回に送れる送信件数の上限が決まっています。
その上限を超えると、エラー表示となり送信できなくなります。
メーラーから大量なメールを一斉送信するとサーバに負担がかかり、通常のメール送信までも遅延、一時的な送信制限がかかる恐れがあります。
BCC設定でメールを送信した場合、他の人に他者のメールアドレスが漏れることは基本的にありません。
しかし、BCCと思い込んでCCで送ってしまったりなどの、人的ミスによる漏えいは十分起こりえます。
万が一漏えいしてしまうと、個人情報保護法に違反するとみなされる可能性があります。
メール配信時に気をつけるべき個人情報保護法と特定電子メール法についてはこちら
メーラーはあくまでメールのやり取りをするためのツールなので、開封率、クリック率、反応率、到達率などの効果測定を行うことができないため、マーケティングには不向きです。
効果測定に必要な指標(KPI)と、KPIを活用したPDCAの回し方についてはこちら
ここまでお読みいただけると、メーラーで一斉送信を行うと発生するリスクについて理解が深まったと思います。
このようなリスクを回避しメール配信できるのがメール配信システムであり、メール配信システムを利用するメリットです。
ここからは、メール配信システムを使うメリットを確認しましょう。
メーラーのBCC機能で送信する場合とは異なり、メール配信システムでは大量のメールを複数の配信サーバに分散させることが可能です。
何万件という配信先も、数十件ずつに細かく分け、複数の配信サーバに少しずつ配信を担当させることで、1台当たりの配信サーバの負荷は軽くなり、受信側に受信拒否される可能性が低くなります。
ほとんどのメール配信システムでは、分散させる仕組みを持っているので、大規模なメールを安定的に配信させるための考え方は共通しているようです。
『複数のサーバーから配信し安定的にメールを届ける』でも解説したとおり、迷惑メールと誤認されないようにするためにも、メール配信システムでは複数のサーバーに分散してメール配信しています。
こうした仕組みのおかげで、ユーザーの手元にメールが届く到達率が高くなります。
仮にメーラーからメール配信する場合、ユーザーの管理をすべて手作業で行わないといけないため、精密な運用が難しくなります。
例えば、
メールの購読を希望しない方の管理を、どのように実施するかを考える必要があります。
さらに、セグメント配信も困難を極めるため、ターゲットを絞り込んでのメール配信も難しいです。
メール配信システムを使うと、購読を希望しない方の解除フォームの作成により、リストからの削除が完全自動です。
また、システム内にユーザーのメールアドレスとともに属性の登録が可能なので、一斉配信からセグメント配信まで簡単にできます。
メール配信システムには、さまざまなメールマーケティングが存在しますが、そのなかでもよく使われる配信方法が、以下の2つです。
例えば、
長期休暇のご案内や年末年始の休業について、全店一斉セールのお知らせなど
です。
セグメント配信とは?
セグメント配信とは、特定の読者にマッチする情報をメール配信するものです。
特定の読者を絞り込むには属性の取得が重要で、主に
「 住所、氏名、年齢、性別、電話番号、誕生(または記念日)、趣味 」
などといった情報を収集します。
例えば、
「 40代向けのアンチエイジング化粧品を紹介したい 」場合、
属性は
「 年齢=40~49歳、性別=女性、趣味=コスメ(またはファッション) 」
といった条件で絞り込みを行い、対象となる読者にだけ情報をメール配信することができます。
セグメント配信でメルマガ配信時間を最適化する
基本的にメール配信システムを提供する企業は、メール配信されたメールが「迷惑メール」と判定されないよう、SPFとDKIMなどの認証の仕組みを取り入れていることが多いです。
この2つの認証は、SPFレコードや電子署名の活用により、迷惑メールとなることを防いだり、メール送信者がなりすましでないことを明らかにするものです。
この認証を導入しているメール配信システムであれば、迷惑メール扱いになりにくくなり、受信側へメールを届けることができます。
認証技術だけでなく、迷惑メールにならない方法などについてはこちら
日々、メール配信を行うと、読者がどれだけ開封(開封率)したか、本文内にあるURLをどれだけクリック(クリック率)したかなどの数値を計測することができます。
開封率やクリック率を集めることで、今後のマーケティング戦略に役立ちます。
どのように役立つかについては、下記の記事のほうが詳しく書いていますので、是非合わせてお読みください。
メルマガ開封率についてや開封率を上げる方法のほか、効果測定についてはこちら
クリック率を上げる方法についてはこちら
万全の状態でメール配信ができるようになっていますが、少なからずともデメリットも存在します。
一斉配信、セグメント配信問わず、読者にマッチした情報をメール配信したからといって、必ず読まれるとは限りません。
読者のパソコンには個人的なものを含めると、たくさんのメールが日々、送受信されています。
そのため、瞬時に届いたメールを確認して、必要なものだけ開封する可能性が高いです。
少しでも開封してくれる可能性を上げるためには、件名(タイトル)で目を引く工夫が必要です。
読者が開封したくなるタイトルの作り方のコツや効果測定などについてはこちら
SPFやDKIMなどを認証して、迷惑メール対策をほどこしていても、読者がもっているパソコン、メールソフトのセキュリティの関係上、メール配信の件名や文章の内容、配信量によっては、迷惑メールと判断される場合があります。
このように受信側の環境によっては、送信側の強固な対策にもかかわらず迷惑フォルダに振り分けられ、読んでもらえない可能性がわずかながら残ります。
定期的にメール配信するため、配信回数に応じて文章作成をしないといけません。
また、内容の作成や、実際にメール配信したあとの検証、今後の対策といったPDCAサイクルにそって、ミーティングの実施が必要になる可能性があるため、運用としての負担がかかってしまいます。
URLをクリックなどの効果測定ツールについてはこちら
メール配信システムを提供する企業によって料金プランはさまざまですが、大小問わずコストがかかってしまいます。
最低限の機能で安く導入できるメール配信システムもあれば、多くの機能を搭載しています。
メール配信システムは、多くの企業がシステムとして提案、提供しています。
多数あるなかから
「 どのメール配信システムを選べばよいか 」
と迷うのではないでしょうか?
基本的な選び方としては
の4項目を基準に選定すると、理想のメール配信システムを見つけることができます。
メール配信システムの料金プランには大きく2種類あります。
メール配信システムの主な料金プラン
基本的にはどちらかのプランを採用していることが多く、まれに2つの料金プランを選べたり、双方を組み合わせた料金プランとして提供していたりすることもあります。
メールアドレス数に応じた課金ではメール配信数に制限はありませんが、登録するメールアドレス数の増加とともに料金もアップします。
その一方で、メール配信数に応じた課金制では、登録するメールアドレス数の上限は、システムの最大数まで付与される場合が多いので、実際にメール配信する予定数に応じた課金となります。
現在は多数のメール配信システムが提供されています。
そのほとんどが、ほぼ同じ機能を兼ねそろえていますが、各社は特徴をつけるために1つの機能を強化し提案しています。
基本的な機能面では、例えばこのような例があります。
このように、各メール配信システムの強みを比較しつつ、自身が望む効果や運用を実現できるかどうかを最終的な判断にすると良いでしょう。
メール配信システムには無料版(無料トライアルではなく無料のプランがあること)と有料版の2つがあり、ある程度の区別はされています。
無料版の場合は、限定的に使用不可能な機能もあるため、最低限のメール配信しかできない可能性が高く、有料版であれば、ほぼすべての機能を使用することができます。
ほかにも、無料版では広告文が自動的に本文に挿入されてしまう、というような仕様のメール配信システムも存在します。
無料版はコストパフォーマンスが良いですが、ある程度予算があって機能をフル活用したい場合や、広告を挿入したくない場合は有料版を選ぶと良いでしょう。
今では、個人情報などの漏えいを防ぐためのセキュリティ対策は当たり前となっています。
メール配信システムを選ぶ際には、きっちりセキュリティ対策が行われているかは重要なポイントです。
ちゃんと配信されたメールが暗号化されているかや、迷惑メール扱いにならないための送信ドメイン認証技術を取り入れているかなどを確認しましょう。
どのメール配信システムを選んだら良い?メルマガ配信システム選びのポイントについてはこちら
当社が調べて掲載した『2024年版・失敗しないためのメール配信の選び方!おすすめ20選&比較表を紹介』で紹介している、メール配信システム14社で、月額料金(初期費用除く)が明確にわかっている企業だけで、平均の料金を割り出しました。
【2024年版】各社のメール配信システム徹底比較
1カ月1,000~3,000メールアドレスで、月額料金が明確にわかっているのは当社を含めて6社です。
6社の月額料金で平均の費用を計算すると、4,000円前後となります。
ただ、コストパフォーマンスの高いメール配信システムもあれば、想定以上に高額な費用を必要とする場合があるため、料金と導入目的が見合うかは、きっちり調べてから導入を考えましょう。
コンビーズメールプラスでは、導入を検討している方の予算に合うように、さまざまな料金を設定しています。
他にも低価格で安心して始めていただけるように、無料お試しもございます。
アドレス件数1,000件で月額4,000円での導入が可能です。
この料金に満足できるかどうかは、30日間の無料トライアルも設けているので、安心して試すことができます。
無償でメール配信の使用感を試してみたい方は、ぜひご検討ください。
メール配信システムを使いメール配信する場合、2つの法律を遵守しなければいけません。
それは、広告宣伝を目的としたメール配信をするために守らないといけない「特定電子メール法」と、メール配信時に取得した個人情報を適正に扱う「個人情報保護法」です。
特定電子メール法とは、迷惑メールなどを防止するのを目的として定められており、広告宣伝や勧誘などを目的とする電子メールを送る際に、遵守すべき法律となっています。
さらに法律上守らないといけないものとしては
「 特定電子メールの送信の適正化のための措置等 」
に定められています。
代表的な項目をピックアップしましたので、確認してみてください。
法律上守らないといけない代表的な項目
また、2008年12月1日に法改正があり、メール配信に同意した相手にのみ広告宣伝や勧誘等を目的としたメール配信を許可する「オプトイン」が取り入れられています。
特定電子メールの定義や特定電子メール法の内容についてはこちら
個人情報保護法は、メール配信時に取得した個人情報を、適正に取り扱うための法律として遵守するべき法律です。
メール配信の場合、個人情報として扱われるものは、下記のようなものがあげられます。
個人情報として扱われる項目
そして取得した個人情報を事業で使う場合は「個人情報取扱事業者」となります。
個人情報取扱事業者となると、個人情報の収集から使用、保管、廃棄までの流れを適正に行う必要があります。
主にやらないといけない作業としては
となります。
個人情報保護法について、もう少し詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
メール配信時に気をつけるべき個人情報保護法と特定電子メール法についてはこちら
メール配信システムと一言でいっても、基本的な機能だけでなく各社では何かしらの機能を特化させて提案しています。
そのなかから一部、おすすめのメール配信システムを紹介します。
メール配信システムでは、多くのメールを到達させるために送信認証技術として「SPFレコード」や「DKIM」を取り入れたり、複数サーバで配信を分散しています。
なかでもMailPublisherは業界トップ級の配信速度を誇っており、1時間当たり4,100万通の配信が可能なうえ、到達率も高いです。
メール配信システムでは多数の機能を備え、それらに特化した形でシステムを提案しています。
例として、販促に向いたものを取り入れたい場合はblastmailがおすすめで、HTMLメールが作りやすいHTMLエディタを搭載しています。
見込み客を見つけ出したい場合は、顧客の属性を絞り込みニーズにマッチしたメールを置くセグメント配信や、購買意欲を高めるためのステップメールが備わっている、メール配信システムがおすすめです。
ステップメールに特化したメール配信システムとしては、AutoBizがあります。
お客様のご縁を育むことを軸に置いたサービスで、自動的にメールアプローチを行いたい方はご覧になってください。
【2024年版】各社のメール配信システム徹底比較
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
メール配信システムを導入することで、大規模なメール配信を高速かつ安心安全に、確実に届けることができるようになります。
しかし、どんなシステムにもメリット、デメリットがあります。
セキュリティ万全でニーズにマッチしたメール配信を行えますが、必ず読んでくれるとは限りません。
また、必ずコストもかかるので、予算に合う料金プランを選ぶ必要があります。
このようなメリット、デメリットを理解したうえで、導入の検討をおすすめします。
以上、『メール配信システムの選び方を解説!選定ポイントや活用のメリットも紹介』でした。
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