2023年02月07日
メールマガジン(メルマガ)は、メールマーケティングのひとつの方法です。定期的にメール配信することで、最終的なコンバージョン数(売上などの成果)につなげることができます。
しかし、初めてメルマガを運用をするにあたり、どのようにしたらよいか悩むのではないでしょうか?
そこで今回は『メールマガジン(メルマガ)配信時に知っておきたい運用ポイント』と題して、メルマガを運用するために、メルマガそのものについての解説や、実装するにあたりおさえておきたいメール配信システムの仕組み、メルマガを作成する際の簡単な注意点などにつて、解説したいと思います。
目次
メルマガとは、メールマーケティングのひとつの方法です。基本的には、メール配信システムを使用し、メルマガ登録しているユーザー全員に対し、商品・サービスの情報を一斉配信します。
メリットとしては、メルマガを運用する側のメール配信したい日時、届けたい情報を自由に設定できるところです。
古くから使われているメールマーケティング方法ですが、ITの発展とともに開封率やクリック率など、目で見える形で効果測定ができるようになったり、メルマガ以外の方法も誕生したりと進化をとげていきました。
誰もが最低1つはメールアドレスを所持している現代においては、メルマガは企業の目標達成などを手助けするものといえます。
メルマガを運用する目的は、実施する人によってさまざまですが、主にこのような目的を持つことが多いでしょう。
ただ、メルマガ運用する目的の基本とされているのは
「メルマガを定期的にメール配信することで、ユーザーとの接点を深め、新規顧客や見込み客を優良顧客に成長させる、最終的なコンバージョン数(購入などの成果)につなげる」
であり、いかに販売促進ツールとして活用するかが重要です。
メルマガは1対1のメールのやり取りとは違い、メルマガ登録した全ユーザーに対して一斉配信するものです。メルマガをメール配信する場合、メール配信システムを導入して実施するのが通常となっています。
小規模な人数へ送る場合、メーラー(GmailやOutlookなど)にあるBCC(ブラインド・カーボン・コピー)を使って、メルマガをメール配信する方も多くいるかと思います。
しかし、この方法はあまりおすすめできません。理由としては、セキュリティ面や不配などの問題が発生する可能性があるためです。
では、ほかにどのような理由から、メール配信システムを導入したほうが良いのかを見てみましょう。
メーラーから100件以上のメールを送信すると、サーバ側が送信者のIPアドレスをスパム判定(迷惑メール扱い)にし、送信の制限をかける場合があります。
また、各メーラーによっては送信できる件数に上限があり、それを超えると送信できません。一方で、メール配信システムを使えば、どんなにたくさん配信しようとも、細かく分散して配信するため、相手側からスパム判定を受けにくくなっています。
メーラーで一斉送信するとサーバに負担がかかり、通常の送信への遅延、一時的な送信制限が発生する場合があります。
一方で、メール配信システムを用いる場合は、配信サーバーをいくつも持っているため、負荷分散されることで遅延が発生しにくい仕組みになっています。
BCCを使って一斉送信したとしてもシステム上、他者へ他の人のメールアドレスが漏れることは、基本的にはありません。しかし、ヒューマンエラーで漏れる場合は十分にありえます。単純に、BCCに入力したと思い込んで、実際はCCに設定していた、というミスは起こりえます。
メール配信システムを使えば、そもそもが1通ずつの配信となるため、1人ひとりに対して「To」で配信することになります。
メーラーから一斉送信した場合、送った件数に対して何件返事があったかで、最低限の反応を確認することはできますが、それが限界です。
より精密な効果測定をしようと思うと、メール配信システムに備わっている、開封率、クリック率などを使うしかありません。
メール配信システムを使うことで、上記の問題すべてを解決することができます。そのため、導入が推奨されています。
CCやBCCの解説と一斉送信によるリスクの説明、メール配信システムの導入をおすすめする理由についてはこちら
メール配信システムの導入を推奨する理由として、上記でも紹介したとおり「安定的に多量のメルマガをメール配信」することができるからです。
なぜ安定的にできるかの理由としては、メール配信システムは多数の配信サーバを保有しているためです。
独自開発の経路探索型アルゴリズムの構図
このようにメール配信システムは、予約された多量のメルマガを配信エンジンが、各サーバに振り分けており、1つのサーバにメルマガが偏らない仕組みとなっています。
どれだけメール配信の速度や到達率が向上するかについてはこちら
メール配信システムは、主に2つの仕様があります。それはクラウド型とオンプレミス型です。
クラウド型とオンプレミス型の違いをわかりやすくいうと、メール配信システムを運用するために、自らサーバや機器などを用意するかどうかです。
機器の用意やメンテナンスがない分、導入がしやすいうえに低コストで運用ができるのが魅力です。ただ、インターネット経由でメルマガ運用をするため、セキュリティ面で安全かどうかの確認が必要です。また、メール配信システム会社が提供している機能しか使えないため、カスタマイズ性に欠けます。
自らサーバや機器などを用意する分、機能のカスタマイズ性が高いです。
ただ、サーバや機器などを自ら用意、それらを管理できる人材が必要となるため、高コストになるうえ導入に時間がかかってしまいます。
料金相場 | ||
---|---|---|
クラウド型 | オンプレミス型 | |
サーバや環境設定の初期費用 | 1万円~5万円 | 数千円~1万円 |
ライセンス料 | 無料 | 100万円~500万円 |
保守費用ほか | 月額定額制or従量課金 | 月額3万円~5万円 |
各メール配信システム会社によっては、さまざまなメルマガの形式を提供しています。そのなかでも「テキストメール」と「HTMLメール」は、メルマガの形式では基本的な型なので、各社メール配信システムには必ず備わっています。
各形式の内容を理解していないと、目的に応じたメール配信をうまくできない可能性があります。まずは、テキストメールとHTMLメールの違いを理解しましょう。
それぞれの形式の違いについて解説します。
テキストメール、HTMLメールの詳細は、下記リンクをご参照ください。
HTMLメールとテキストメールが持つメリットとデメリットを比較しながら、それぞれに最適な活用シーンについてはこちら
最近は、テキストメールだけでなくHTMLメールといったビジュアル面で商品やサービスを訴求する方法が、よく使われるようになっています。
傾向としてユーザーサイドが、文章を熟読するよりもパッと見でわかる内容への需要が高まっているためとされています。
特に現代人は、インターネット上のコンテンツに数多く触れたことで「時間対効果」である「タイムパフォーマンス」を重視する傾向があるといわれています。タイムパフォーマンスとは「短い時間で大きな成果を得る」ことを目的としています。メルマガも文章を読むより、ビジュアル面で商品やサービスを訴えかける方が、効果が得られることもあるようです。
インターネット普及以後は、情報過多となっているので「1つひとつていねいに」とはいかないのが心理なのかもしれません。
新規顧客や見込み客、優良顧客など、各ターゲット層に応じて、テキストメール、HTMLメールを使い分けると、効果への検証がしやすくなると考えていいでしょう。
メルマガ運用をするにあたり、2つの法理を遵守する必要があります。この法律を守らないと、「メルマガ」を運用することができません。
特定電子メール法とは「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」といいます。2001年ごろに、ユーザーの許諾なしで広告宣伝に関するメールを送信してくる「迷惑メール」が増加したことから、それらを規制するために、特定電子メール法が2002年に誕生しました。
特定電子メールとは、広告宣伝を目的としたメールのことを指しており、メルマガはこれにあたるため、特定電子メール法を遵守する必要があります。
主にメルマガ運用で守るべきことは
となっています。
法律違反をすると、罰金または懲役刑を科せられます。
特定電子メールの定義や特定電子メール法の内容についてはこちら
メルマガをメール配信する場合、個人情報として取り扱われるのは、主に氏名、生年月日、連絡先(住所、電話番号、メールアドレスなど)、特定の個人を識別できるメールアドレス、公にしているSNSなどです。
取得した個人情報を事業で取り扱う場合、個人情報取扱事業者になります。個人情報取扱事業者となると、個人情報保護法で規制され、個人情報の収集から使用、保管、廃棄までのサイクルを適正に管理しないといけません。
また、ホームページなど公の場で、個人情報保護方針や個人情報取扱いについてなどの文言を明記し、ユーザーへ安心感を与える必要もあります。
可能な限りわかりやすく個人情報保護法についてはこちら
メルマガを運用することで得られる、メリットとデメリットをしっかり把握しておきましょう。やみくもに運用したところで、コストパフォーマンスが悪くなったり、得たい効果が得られなかったりします。
まずは、メリット、デメリットを理解したうえで、メルマガ運用に挑みましょう。
まずは、メリットについて解説します。
紙媒体や広告を考えると、メルマガは低コストでの運用が可能です。メール配信システムの月額費用と、それを運用する人件費コストだけでおさえることができます。
また、紙媒体や広告とは違い、明確にターゲティングしたうえで情報発信できるため、費用対効果も期待できます。
より具体的な各媒体とメルマガの比較については、下記リンクをご参照ください。
既存で使っている宣伝媒体とメール配信システムを、うまく併用するとコストを抑えられる方法についてはこちら
メルマガを運用する良さは、運用側のタイミングでメール配信できるだけでなく、自社の商品やサービスに関する情報を発信できるところです。
ダイレクトにユーザーへ情報発信できることから、メルマガはプッシュ型販促といわれています。
プッシュ型販促は言葉どおり、押す戦略のため、営業に近い形でユーザーにアプローチすることができます。
メルマガをメール配信する際、本文内にECサイト(通販サイト)などのURLを貼り付けておくことで、内容を読んだユーザーが最終的にはURLをクリックする可能性があります。
直接、自社コンテンツを知ってもらうのにも、メルマガは有効に働きます。
メルマガのメール配信は、運用側の一方的な行為に見えますが、実は違います。
メルマガを閲覧したユーザーが商品やサービスを購入する、または問い合わせてくることは、レスポンスとして捉えることができます。
つまりは、双方コミュニケーションがはかれている、と考えられます。こうしたやり取りを繰り返すことで、運用側とユーザーの関係性が深まり、『メルマガ運用する目的は?』でも解説したとおり、見込み客などが優良顧客に成長したり、最終的なコンバージョン数につながる可能性がアップします。
メルマガ運用をすると、少なからずデメリットは発生します。
メルマガをメール配信したからといって、全ユーザーが必ず開封して中身を読むとは限りません。
ユーザーは、他社のメルマガを登録している可能性もあれば、プライベートなメールも数多く送受信しているはずです。多数のメールの中から、自身が作成したメルマガを必ず選ぶとは限らないためです。
ユーザーが所有しているパソコンやスマートフォン、タブレット端末のメーラーやフリーメールのセキュリティ状況によっては、メルマガのタイトルや内容、配信量などで、迷惑メールの対象とされる場合があります。
そのため、結果的に迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう可能性もあります。
メルマガを運用するということは、発信したい内容を毎回、作成する手間がどうしても発生します。
メルマガを運用するにあたって、おさえておくべきことを解説します。
メルマガを作成する場合、やっておいた方がいい施策をおさえておかないと、効果を得られなかったりする場合があります。
メルマガを活用したマーケティング効果を高めるためには、どのような構成に仕上げるかが大切です。
一般的にメルマガは、次の5つの構成に分けられます。
メルマガの件名は特に重要視されています。理由としては、開封率の増減に左右するためです。
単純に件名を作るのではなく、メルマガを受け取る側が思わず開封したくなるような、キーワードを含めるのが大切です。
具体的には、「限定」、「タイムセール」、「クーポン付き」、「あなたにおすすめ」といったキーワードを入れるようにします。
そのほかにも、記号を用いたり、ユーザーの名前を入れたりするなどし、受信メールボックスで目立つような件名にしましょう。
読者が開封したくなるタイトルの作り方のコツや効果測定などについてはこちら
本文に入る前には、リード文(前文)や画像などを差し込むことをおすすめします。
ユーザーが、必ず読んでくれる保証はありません。前文などを載せる部分は、ユーザーがメルマガを開封して、すぐに目に入る冒頭部分となるため、本文内の重要な情報を要約し知らせることが大切です。前文を読んで、ユーザーが欲しい情報だった場合は、そのまま本文に流れる可能性が高まります。
HTMLメールの場合は、画像の挿入ができるので、セールの紹介やクーポンなどを掲載すると、ユーザーはメルマガに興味を示す可能性が高まります。
メール本文の装飾の方法についてはこちら
メルマガの本文には、訴求したい内容や誘導先のURLを記載します。ただ、あまり長文になってしまうと、ユーザーが読み疲れて途中離脱する可能性があります。そのため要点を絞り込み、1メルマガにつき1テーマの内容を考えて作成しましょう。
テキストメールの場合は、記号や数字などを用いて、ユーザーの目にとまるような工夫が必要です。
また、HTMLメールの場合は、テキストを控えめにして、画像やイラストなどを挿入するとビジュアル面での訴求も可能です。視覚的にユーザーに対して情報を伝えられることで、購買行動につなげやすくなります。
今回はメール配信の際に役立つアイディアや、文面に使えるテクニックについてはこちら
特定電子メール法による「表示義務」を遵守するためにも、最後には必ず発行元を記載しないといけません。
主に表示が義務付けられている項目は以下のとおりです。
テキストメール、HTMLメールいずれの場合でも、上記の情報を記載する必要があるため、メルマガをメール配信する際は、十分に注意しましょう。
メルマガをメール配信する際は、ユーザー層にマッチした時間帯や曜日を見極めて行う必要があります。
ユーザー層もさまざまです。学生から社会人まで幅広いジャンルがあるため、各層に合わせたベストタイミングが存在します。
時間帯の一例をあげると
がタイミング的に良いといわれています。
何曜日に配信が良いのか、何時ごろの配信が良いのか、についてはこちら
また、メルマガの配信頻度も考慮しなくてはいけません。1日に多量のメルマガを送っても、ユーザーはわずらわしさを感じて読まれなくなり、十分な効果を得られなくなる恐れがあります。
1日に1回、週・月に数回といった頻度を設けるほか、タイムセールやクーポン配布など特別なタイミングにもメルマガを配信しましょう。
マーケティング効果を得られるようにするためには、メルマガの運用方法に工夫が必要です。
ただ単にターゲットにメールを配信するのではなく、以下のポイントを意識してみるようにしましょう。
メルマガの効果を高めるためには、ユーザーとのコミュニケーションを意識してみてください。
例えば、家電製品のネットショップを運営している場合、
など、ユーザーに話しかけるようなメールを作成します。
読み手側としても、その時々に必要なものをおすすめしてもらった方がメール本文を読む可能性も高まります。
一方的にメルマガを送り続けるのではなく、読者のことを考えながらメール本文を作りましょう。
PDCAサイクルを回してみることも、メルマガを運用する上で大切なポイントです。
メルマガにおけるPDCAサイクルは下記のとおり
メルマガの構成でも解説したとおり、メルマガの効果を高めるためには件名や配信のタイミングが重要です。
効果測定に必要な指標(KPI)と、KPIを活用したPDCAの回し方についてはこちら
PDCAサイクルのなかでも、特に効果測定を重視しましょう。
メールマーケティングはメールを配信して終わりではなく、開封してもらい、コンバージョンにつなげる必要があります。
最終的に、コンバージョン率を高めるためには、開封率や反応率といったデータを改善しなければなりません。
以下の記事を参考にし、どのように効果測定を行えば良いのか、改善するべきポイントなどを確認してみましょう。
実際にクリック率の向上を実現に向けて取り組みたい具体的な施策についてはこちら
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
メルマガの運用を始めるにも、最初はどのようにしたらよいか悩むのは当然のことです。
自身にマッチするメール配信システムの導入から、メルマガそのもの作成、メール配信後の効果測定までと、覚えないといけないことはたくさんあります。
最初は戸惑ってしまうかと思いますが、1つずつクリアしていけば、最終的には目的に応じたメルマガ運用ができるようになります。
ぜひ、本記事を参考に1つずつクリアしてみてください。
以上、『メールマガジン(メルマガ)配信時に知っておきたい運用ポイント』でした。
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